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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

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ヴェニスの商人本番直前短期集中連載◆出演俳優インタビューその2:きえる


「自分ができることをフルに使って取り組むという感じでやってきました。」


 立夏です。
 「ヴェニスの商人出演俳優インタビュー」第二弾は「きえる」さん
 現在フリーの女優として多方面で活躍しているきえる。舞台に立っているときはミステリアスなイメージの彼女ですが、その実情は…
 途中で小林が割り込んできて「きえる、小林対談」みたいになってしまいましたが、そちらの様子もゆるーくお楽しみ下さい! 過去別の団体さんで何度も共演しているふたりですが、獣の仕業の稽古場だとまた印象が変わってきているようです。

# インタビュー第一弾小林龍二の記事はこちらです。併せてご覧下さい。



◆ 演劇と演劇以外の舞台、どちらもテンパるギリギリにいつもいる

インタビュアー立夏(以下省略):
─ きえるさん

きえる はい

─ 芝居の他に朗読であるとか、もしくはツイキャスのパーソナリティーとか、演劇以外のモノにも出演していますが、演劇をやるときとそれ以外で何か区別とか、取り組み方の違いはあったりしますか?

きえる 演劇と演劇以外のもので、特段区別はしていないです、…というより、今まで活動してきていることは何もかもが初めてのものばかりなので気持ち的にテンパるギリギリにいつもいて
自分ができることをフルに使って取り組むという感じでやってきました。

─ 確かに、私も何度も観客側の立場できえるさんの芝居を観てきているけれど、ギリギリとか、フルに使って、って言う言葉は凄く、…分かる気がします。何というかいつ観てても、「あ、この子終演まで立ってられないんじゃないか」って良い意味で、心配になるというか、とにかく必死に舞台の上で生きてるんだなあってことをいつも見せつけられています。

きえる それに、まだ何かを区別して使い分けられるとゆう次元に達していないというのが現実ですね、ずどーん。

─ 質問しておいてあれだけど、演劇がそうじゃないかって言っても、同じ舞台であることには変わらないし、どれも貫通したひとりの「きえる」であることは確かだから、これからも使い分け・みたいなものはなくてもいいのかもしれないね。今度きえるの朗読とか、そうだな、…ファッションショーのモデルさんとかのイベントがあったら、凄く観てみたいです。

◆ 「以前の稽古場ではあまり印象に残っていないかな。でも、本番の印象はすごかった」(小林)

─ いつも舞台に立っているときって、どんなことを考えていますか?

きえる あー、うーん、もう、考えていないです。お腹痛くならないかなとか。

─ 大事だね(笑)

きえる 嘘です。

─ 嘘かーーッ…!、…じゃあ、普段はどんなことをしていますか? 私生活とか、あ、差し支えない範囲で。

きえる あああ~、最近ワンピース読んでますよ。

─ 好きなキャラクターとかいる?

きえる あの、最初の方しかまだ読んでなくて…サンジ編で出てくる「ギン」って言うキャラクターが好きです。ご飯を食べて泣いているところが、いいですよね。

─ ギンは私も好きです。

小林 (通りかかって)あれ、なにやってんの?

─ あ、インタビューを

小林 ああ、ごめん、声入っちゃうね。

─ 入ってもこれ(音声データ)自体を載せる訳じゃないから大丈夫
 ※ すいません、結局このやりとりを載せました。。。

小林 ああ、なるほどね(無闇に良い声で)

きえる (笑)

─ じゃあ折角通りかかったんで…小林さんはきえるちゃんとは別団体でも共演したことがあるわけだけど、

小林 ええ(依然良い声で)

きえる 良い声!

─ 別団体さんでのきえると、獣の仕業でのきえるで、違った印象があったりしますか?

小林 うん、全然違う。正直、最初に稽古場で会ったときは役者としてはあまり印象に残っていないかな。まあ役としての絡みも皆無だったんだけど、本番になって急に変わって、びっくりした。「ええー!?こんなすごかったの?」って(笑)言葉でうまく言い表せないけど…、それくらい衝撃的だったんです、すごくよくて、印象深かったですよ(良い声で)

─ えっと言葉で言い表せないってことは…ノーコメントということでいいのかな?(笑)

きえる えええ? ほんとですか??

小林 ・・・・・んーっと。なんだろ。目が離せないっていうか、オーラなのか、佇まいなのか仮住まいなのか・・・



─ 仮住まいというのは、家を建て替えたりするときにすることですか?

小林 たぶんそう・・・。いやあ、なんだろ、いい意味で、「芝居してます」って感じがなかったんだと思う。なんか、背景はグレーなのにその存在だけが白く映えるよう・・・ゆでたまご?なんか、つるんってしているような、無垢とでもいうのかな、でもそのあとに観た芝居はロックな感じもあったから(笑)なんというか個人的にも、まっすぐ立てる役者さんって僕は大好きなんですよ(今度はいい姿勢で)

─ なるほど。ちなみに先程の「稽古場ではあまり印象に残ってない」って言うことを踏まえると、今現在の稽古場にいるきえるはどうですか?(笑)

きえる きゃー!

小林 静かに!以前の稽古場だとストレッチしかしていなかったから、「好きなんだなあ。のばすの」って思ってた。した会話なんて「腰はどうすればのびるんです?」ぐらい(笑)今は、いい意味で生きもの感があるよね。いつも「きゃー」とか「うわーい」とか「ぴゃー」とかずっと言っているし…

きえる え? 今のは(私が)獣の稽古場で「ぴゃー」って言ってる感じ(の意味)なんですか?

凛子 (通りかかって)これきえるん※ のことディスってない?
   ※きえるの獣の仕業内でのあだ名です

─ 大丈夫そこはディスってると誤解がないようにちゃんと書いておく…!
※ ディスってないです。

小林 うん、ディスってない、と思う。すごくいい役者さんだと思うもん。

◆ 客演していたときの小林さんは、やっぱり余所行きですよね(きえる)

─ じゃあ反対に、きえるちゃんも小林さんとはちょい役含めて共演は三回目ということになるわけですけれど、別団体・ユニットでやっていた、小林さんと獣の仕業での小林さんって違いとかありますか?

きえる あの、私は結構これを推してるんですけど… 獣の仕業にいる小林龍二さんは …すごくいいです。人柄的にも役者さん的にも凄くいいです。

小林 (にやにやする小林)えー? あー、でも、キャラは違うよね。

きえる やっぱ余所だと余所行きですよね!(笑)

─ 良い服を着て(笑)

小林 稽古着はどこでも俺は不変の黒(笑)でも何だろうなあ、ピエロ役というか、おどけていることが多いかな。キャラづくりってわけじゃないけど、なんとなくそうなっちゃう。獣では気なんて使わないから、なんかこんな感じ。

きえる こんなにカッコイイ人なんだ って言うのを、

─ 芸能人で喩えると?

小林  生瀬勝久!?吹越満!?

きえる ( ↑ 質問に回答しない)無理してないかんじっていうのが良いって言うのはその、本質が良いんじゃないですか、人間的な部分がその、偉そうですけど。

小林 この発言ぜひタイトルに書いておいて。

─ 分かりました。※書きませんでした。

小林 なんかすいません、何かきえるの紹介なのに…(笑)

─ 折角二人一緒だからこれもまたいいんだけどね。…じゃあちょっと話題を変えて、これは答えづらい質問かも知れないんですけど、きえるから見て、「役者きえる」の魅力ってなんですか?

きえる あー。

─ もしくは「こう言われたことがある」とかでもいいんだけれど、

きえる 全然そう言う演技をしているつもりじゃないのに「病気の演技が上手ですね」って言われたことは、凄い覚えてます! ああ、やっぱりそうなんだ… って言う…

─ 自分では、それに関しては得意意識は?

きえる 得意意識…、ある意味クセみたいなモノかなって思ってます。(私自身は)別に病気じゃないんですけど、普段のコミュニケーションですぐクセで痙攣しちゃうとか、興奮するとつい過呼吸みたいなことをしてしまうとか、

─ 良く稽古場でも痙攣していますよね?

きえる してますしてます。「得意技:痙攣」です。

─ じゃあ「ヴェニスの商人」でも得意技の痙攣が見れるのかどうかと言うところですけど。…それは秘密にしておきましょうか。ところで過呼吸は本当になることもあるの?

きえる はい、昔、本当に過呼吸に良くなってたことがあって、もう殆ど治ったんですけど、今でも興奮すると息が上手にできない。そう言うときはビニール袋を…

(※ 過呼吸になったときの対処法の話がしばらく続くので以下オールカット)

─ では話題を変えて…、藤長(由佳)さんにひとこと!

きえる ゆかさん、ゆかさん…、ゆかさん、の、表情とか凄い好きなんですけど、昨日の「半目※」を見て、何か 「がんばろ」って思いました。

(一同笑う)

※ 「半目」:インタビュー前日の稽古終わり、ご飯を食べながら眠くなった藤長が半分白目を剥いた状態でラーメンを食べていた様子のこと

凛子 これ由佳さんディスってるよね?

─ これは…、…うん、ディスってますね!




─ 最後に見に来て下さるお客様にひとこと、お願いします。

きえる ただ一心に、進みます。 お待ちしています。

─ きえるさん、ありがとうございました。次回のインタビューもお楽しみに。


「ただ一心に、進みます。お待ちしております。」




獣の仕業第九回公演

「ヴェニスの商人」[Kingdom Come]
チケット予約受付中!!

会場:pit北/区域(最寄り駅:JR京浜東北線、東京メトロ南北線「王子」駅)
◆公演特設ページはこちら◆

2014年11月
1日(土)14:00/19:00
2日(日)14:00/19:00
3日(祝)13:00/18:00

※ 11月3日のみ各開演時間が一時間早いのでご注意下さい。
※ 上演時間は80~85分を予定しております。

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ヴェニスの商人本番直前短期集中連載◆出演俳優インタビューその1:小林龍二


「今回の作品では、役者ひとりひとりが必ず強く生きています」

 立夏です。
 前回の記事で予告しておりました「ヴェニスの商人出演俳優インタビュー」です。
 本番直前の短期集中連載として、本作に出演する俳優陣のインタビューをしていきたいと思います。
 舞台を観ているだけだと見えてこないような稽古場やプライベートでの俳優達の意外な一面も分かるかも知れませんし、「ああ、舞台の通りなんだなあ」と思われることもあるかも知れません。
 記念すべき第一弾は 小林龍二 です。作品のこと、俳優としての自分なりの心構え、意外と語ってくれました! 盛りだくさんでどうぞ!


◆ 獣の仕業三作目のシェイクスピア、前作二作を踏まえて

 「悲劇」か「喜劇」かを分けるのは「エンディング」

インタビュアー立夏(以下省略):
─ 小林さん、今回の作品の「ヴェニスの商人」の見所って何だと思いますか?

小林龍二(以下「小林」) みどころ?(ご飯を食べながら)



─ うん。

小林 なんでしょうねえ(食べながら)。痛ってえ舌噛んだ…、ああ、舌を噛むほど良い芝居、とか?

─ なにそれ(笑)、これそのまま載るよ?

小林 ええっ、編集してよ! (俄然気を取り直して)…見所ですか。個人的に言うと見所は製作側から提示するモノではないかもと思うけれども…それはさ、要らないシーンもないのと同様に優れているシーンもないと思っているので。

─ それはその通りですね。

小林 ただ、全体的なことで言うと、今回は獣の仕業としてシェイクスピアは第三弾になるんですね。最初が2012年の「オセロ」、次は前回の「空騒ぎ」、そして今回。オセロは四大悲劇のひとつに数えられますけど、前回の「空騒ぎ」は獣史上初の喜劇(笑)その映像を観て、喜劇かどうかはハッピーエンドかどうか、それだけで変わってくるかも知れないなと思ったもんです。

─ そんなオセロ、空騒ぎを経ての今回、どんな作品にしていくか、ということだよね。取り分け「エンディング」というモノに関して…

小林 今回の作品が一体どうなるのか、すべては話せませんが、

─ エンディングがどっちになるのかは、そうですねえ、観に来てくれた方のお楽しみですね、やっぱり。

小林 ただ、(同じ喜劇でも)前回の「空騒ぎ」とは違ってきます、と言う事は言えるような気がします。役者ひとりひとりの群像というよりは、よりひとりひとりの役者が際立つ構造になっているのではないかと思います。 

─ 際立つというのは?

小林 んー。役者ひとりひとりが必ず、強く生きているってことだと考えます。それは獣の仕業ではずっと変わらないものですけど、全員が全員、等しく「ヴェニスの商人」の住人だから、ですからすべてを観ていただきたいと思います。すべてのあとで、「私」は問いかけます。そのときは、どうか教えてください。

◆ 獣らしさは「楽に観られない」と言うこと。

─ 今回は団体側で過去二作品のように「悲劇」と「喜劇」をハッキリと色分けせずに、それこそエンディング自体をお客様への「問い掛け」にして、解釈は観客の皆様ひとりひとりに委ねたいと言うのがあるんですが、その中でずっと変わらないモノ…いわゆる「獣らしさ」みたいなものを…特に最近は団体として強く意識していますよね。その上で例えば…「獣の仕業の作品」で舞台に立つ上で、特に意識していることってありますか?

小林 獣の仕業って、他の劇団さんの芝居と違って楽に観られないんじゃないかな。音や光とかで、シーンとかの切れ目はあっても抜き所はなかったり、笑わせようともするシーンもないので、自然と場が緊張しているんだと思います。

─ 一般的にはメリハリや「緊張と緩和」みたいなものがあって、「見やすさ」が重要視されていることが多いからね。

小林 そうね、あとは笑いをつくろうとしていないというところが特長の一つなんじゃないのかと思います。あ、別に笑いをつくる団体さんのことをどうこう思っているわけじゃないです。んー。でも個人的には笑いって、客席は弛緩しても役者は緊張しているんじゃないかと思ったり、狙って笑いを取れる人は本当にすごいなあと思ったりします。なので、えーっと、何が言いたいのか分からなくなっちゃった(笑)

─ そこをなんとか(笑)



小林 なんというか、獣の仕業を期待して観に来てくださる観客の皆さまに応えようって、毎回やっています。ただ、それは皆さまの期待に沿うもの、ではなくて、獣の仕業が獣の仕業らしく=稽古での積み上げを確かなものにして見せていくって感じでしょうか。だから稽古が大切なんですね。え?ぶっちゃけ稽古嫌いなんですよ、はははは!

─ そうね…。私もウン、大好きではないです。楽しいことも多いけど…

小林 あ。分かるそれ。楽しいんですよね、稽古。嫌いだけど、行くと楽しんじゃう。通しとかすると、乾いた高野豆腐みたいになるけど(笑)朝起きて行かなきゃってなると切り干し大根みたいな気持ちになる、濡らしてくれって(笑)でもやっぱり大切なんですよね、稽古。で、なんですかね、稽古でできないことは本番でもできないと思うんです、これはよく立夏が言って、ああ確かになあと思うことなんだけど。ただ、稽古でできたことでも本番でできないこともあったりするんです、たぶんそれはできなかった、ではなくて、実際に板に立ってお客さんと対峙して初めて知る「やらなくてもよかったもの」、になるんじゃないかと思います。昔は、なんだか本番のテンションで芝居を変えたこともありましたけど、変わるなら稽古を踏まえたかたちで変わらなきゃ…もったいないかなって。日本人ですから。ふむふむ。たぶん役って、過去も背負ったまま新しく生まれるものなんでしょうね、私の中では。…ああ、なんだかよく分からないぴゃあー!!

─ 落ち着いて(笑)

小林 でも、結局は、とにかく頑張っていくだけなんです。はは。はは。…高野豆腐。


◆ 芝居をやる上で意識しているのは「自分の役割」

 どの役割かによって、やることは変わってくる

─ 獣の仕業でと言う枠組み以外で小林さんなりの「舞台に立つ上でのこだわり」とかルールみたいなモノってありますか?

小林 稽古でも板の上でも、たぶん意識しているのは自分の役割っていうところなんだろうと思うぷ。

─ ぷ? うん…。役割というのは何を求められているか? とか?

小林 何を求められているか、というよりは、自分は何をすべきなのか、今回はどんな役なのか、どのように映るようにやればいいのか、もちろん役のこともありますが、稽古の最中でも、なんか、自分はどういうポジションでいればいいのかとか、たぶん無意識なんですけど、それを見極めようとしているような気がします。極端な話、主役と脇役、コロスがやることは全然違うと思うんです。主役はドーンっと構えて、脇役は仕事人、コロスは一体化すること、とかざっくばらんに言えば、もちろん他の要素もありますけど、そんな風じゃないかと思います。でも、主役ドーンって言いましたけど、自分が主役なのに、まだドーンってできないときにはあたふたしちゃう(笑)それでもやるべきことはやって、話の構造にもよりますけど、「完全な主役」のときってのは、役者も演出も何もかも背負って潰されそうになってもちゃんと立ってやること、これを意識するというか自分に言い聞かせて…(笑)軸がぶれないように、しっかりと幹になって、枝葉が茂って花を咲かすみたいに、花になるみんなを支えて、一本の樹になれればいいなあって(笑)。

きえる (小林の話を聞いていて間に入ってくる)小林さんにとって『ヴェニスの商人』とは!?

小林 ・・・・・・・人生です。

─ この、深いようで深くない質問どうしよう…!

小林 ○○チャンピオンの最後みたいな。『あなたにとってフードファイトとは?』『生きることです!』当たり前やん、食べなきゃ生きていけないんだから(笑)

─ まあいいや、このやりとりはそのまま載ります、っと…。

小林きえる マジか!はははは!

─ 最後にお客様にメッセージをお願いします。

小林 これからも獣の仕業を宜しくお願いします!!


─ 小林さん、ありがとうございました。インタビュー第二弾もお楽しみに。


「これからも獣の仕業をよろしくお願いします!」




獣の仕業第九回公演

「ヴェニスの商人」[Kingdom Come]
チケット予約受付中!!

会場:pit北/区域(最寄り駅:JR京浜東北線、東京メトロ南北線「王子」駅)
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2014年11月
1日(土)14:00/19:00
2日(日)14:00/19:00
3日(祝)13:00/18:00


※ 11月3日のみ各開演時間が一時間早いのでご注意下さい。
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「ヴェニスの商人」10/4,5 稽古場日誌


チラシイメージ(Webイメージと少しバージョンが違います)

 立夏です。
 ついに10月になり、鈴虫の音とともに本番の足音も大きくなってきました。私は少しソワソワしています。
 稽古場も一段…いや今週の稽古は五段くらいギアがぎゅっと上がりました。
 
 ※ 以下は真面目なことを書いておりますが、写真だけはすべてエチュードの時のものなので通しの画像ではありません。



 舞台の上で生きている人間たちの関係性を深めていく作業。自分の声だけでなく、相手の声に耳を傾けていく作業。
 相手が何をしたいのか? 相手に何をしてほしいのか? 何をされたくないのか? 手段と目的、声をどこに、どんなふうに響かせていくか? そのときの対象は? その時の風景は??


彼女たちはなにをほしがっているのか?

 最近の稽古場ではよく意識して「手段と目的」という話をしています。

 「美味しいご飯を食べたい」という欲求。これは手段でしょうか、それとも目的でしょうか?
 「健康になりたい」から「美味しいご飯を食べたい」これは美味しいご飯が「手段」の人です。「健康になりたい」のが目的です。同じ目的でも逆に美味しいものを我慢している人もいるかもしれないし、同じ目的でもジムに行くと言う手段を採っている人もいるかもしれません。
 「美味しいご飯が好き」だから「美味しいご飯を食べたい」これは美味しいご飯を食べること自体が「目的」の人です。
 同じ欲求でも、手段なのか目的なのかで意味が変わってきます。

 何を当たり前のことを書いているのかと自分でも思いますが、実際はこんなにシンプルではありません。手段と目的が混じり合っていたり、本当は手段なのに目的だと思い込んでいたり、その目標自体が本人がなにかから逃げるためのものだったり、そもそも「美味しさ」って人それぞれ違うし…と言う事です。


これはなにが「目的」のシーンに見えますか? 見え方は多分、人それぞれです。

 同じ食卓で、同じ欲求で、同じ味のものを食べている二人が
 「おいしいね」
 「うん、そうだね」
 と、言葉を交わしていても、それが果たして「手段」や「目的」を共有しているかは、分かりません。写真だけではわからない、言葉だけでもわからない、ずっと側にいてもわからない。それを分かりたい、確認して、すべてを尽くしてどうにかひとつずつ分かっていこうとする。
 でも最終的に突き詰めていくと、大事にしなければいけないのは、どうしても残る「わからなさ」です。
 「分かったような気にならない」という目的のために、私は「『わからない』を大事にする」という手段を用います。「分かりたい」「伝えたい」を諦めない。でも「わからない」を足蹴にしない。100%伝えようとしてそれでも残る0.000001%が多分、人がひとりひとり違う理由なのかもしれないと、今日時点の私は思います。


これ、わかりますか? 私にもわかりません!



 獣の仕業ブログ「獣の仕業のしわざ」恒例
 本番直前短期集中連載の「出演者紹介」近日連載開始します。

 今回は前回・前々回とは趣向を変えまして、私立夏が出演者の俳優たちをインタビューします。
 舞台を見ているだけでは見えてこなかった、俳優たちの一面が…「分かる」…かもしれませんし、より「分からなく」なるかもしれません。
 第一弾は近日公開予定です。こちらのブログをチェックしてみてください!


第一弾は…この人かも??

チケット発売開始しました!

獣の仕業第九回公演

「ヴェニスの商人」[Kingdom Come]

会場:pit北/区域(最寄り駅:JR京浜東北線、東京メトロ南北線「王子」駅)
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2014年11月
1日(土)14:00/19:00
2日(日)14:00/19:00
3日(祝)13:00/18:00

※ 11月3日のみ時間が一時間早いのでご注意下さい。
※ 上演時間は80~85分を予定しております。



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第九回公演「ヴェニスの商人」[Kingdom Come] 役者降板および登板のお知らせ

日頃より獣の仕業を応援くださり誠にありがとうございます。

 11月1日(土)~11月3日(月・祝)に上演される獣の仕業第九回公演「ヴェニスの商人」[Kingdom Come] に出演を予定しておりました宮岡俊介について、都合により降板となりました。
 宮岡俊介に代わり、獣の仕業より「雑賀玲衣」が登板致します。
 降板にあたり、宮岡俊介の出演および彼を含む五名での公演を楽しみにしていたお客様、いつもご声援くださっているお客様にはご心配とご迷惑をお掛けすることとなり深くお詫び申し上げます。

 本公演は雑賀を含む小林龍二、藤長由佳、凜子、きえるの五名で上演致します。上演スケジュールおよびチケット発売日につきましては変更はございません。

 良い作品をお客様にお届けできるよう、キャストスタッフ一同、より一層の精進をして参りますので今後とも何卒よろしくお願いいたします。

 2014年9月28日
 獣の仕業 立夏




「ヴェニスの商人」9/13,14,15・9/20,21 稽古場日誌


ホームの向かいからこんばんは

 立夏です。

 「ヴェニスの商人」[Kingdom Come]チケット発売まであと1週間ほどとなりました。
 稽古場も本番に向けてさらにギュッとしていきます。
 シーンの稽古をするときの俳優の集中力が先週から特に高まってきたと感じています。厳しいこともよく言ってしまうのですが、良く付いてきてくれて、それどころか率先して場を高めてくれるような方もいて、本当に感謝しかありません。
 
 演劇を普段ご覧になっているお客様の中にはどの座組でも演出家が一番偉くて一番発言権を持っていて…と思っている方も多いかも知れません。
 当然、そういう座組もあるとは思うのですが、獣の仕業は多分そうではありません。
 「稽古場」と場所を限定するなら確実に獣の仕業の一番は、俳優。特に最近はそれを強く思います。みんなが稽古場に来てくれるから、私は稽古を付けさせて貰える。付けてやってる、じゃなくて、付けさせて貰っている。本当に有り難い。

 演劇に限ったことでは勿論ありませんが、ヒトが何かをするとき「~のため」と言うのは必ずついて回ります。行動の動機。手段と目的。お客様のために、スタッフさんのために、劇場のために、色々な「ために」がある。
 私にとってのはじめの一歩は、いつもこの稽古場から、そして「稽古場に来てくれる俳優のため」に。その癖失敗ばかりするけれど、この事を考えるととても素直な気持ちになって、そうして素直にやっていくしかないと、毎日襟を正してばかりです。襟が幾らあっても足りません。

 そんな俳優達の臨場感溢れる稽古の様子をブログ写真でお届けできたら良いなと思う・の・です・が…、俳優が集中しているときは大抵私も集中しているので写真を撮るタイミングを逃してばかりです。

 ですから今回の写真は大体息抜きのエチュードとか、休憩中です・・・残念・・・
久し振りに稽古場日誌を真面目に書いたにも関わらず、以下の写真たちは何だかどれもトボけたものばかりですがお楽しみ下さい。



 さて、俳優の小林龍二さんは「稽古着は黒以外ありえない!」と言う方です。
 ある日黒い服を忘れてしまいきえるさんの黒Tシャツを借りることになったのですが…



くびれ



まさかのくびれ 稽古場に一瞬衝撃が走りました。


発見! パーカーを着ればクビレを隠せる!


 食堂が併設されている稽古場ではのんびりお茶をしながら脚本の台詞の相談をしたり上演脚本や原作のテーマについて話し合ったりしました。


凛子さんが小林さんの買った食パンを食べたそう。


きえる「ひとくちください」


藤長「わたしもください」


「残りはおれのものだ!!」



チケット発売開始:10月1日(水) より

獣の仕業第九回公演

「ヴェニスの商人」[Kingdom Come]

会場:pit北/区域(最寄り駅:JR京浜東北線、東京メトロ南北線「王子」駅)

2014年11月
1日(土)14:00/19:00
2日(日)14:00/19:00
3日(月・祝)13:00/18:00

※ 11月3日のみ時間が一時間早いのでご注意下さい。
※ 上演時間は80~85分を予定しております。



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公演特設ページも近日公開予定です。今しばらくお待ち下さい。