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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

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瓦礫のソフィー出演者紹介その1:田澤遵

立夏です。
 獣の仕業第十回公演「瓦礫のソフィー」の上演情報の発表から約二ヶ月,また,タイムテーブルおよび出演者情報を告知させていただいてから約10日ほど経過しました.
 本番までのこれから二ヶ月の間、稽古場写真やブログの記事なども継続的にリリースして行ければと思っております.
 まずはその第一弾として,出演者の紹介をひとりずつしていきます.
 獣ではおなじみのメンバーから久し振りの出演者まで様々な本作ですが,「全員が獣初出演ではない公演」はおよそ三年半振りです。全員が獣の劇言語を表現して下さったことがあると言う状態は私にとってはとても頼もしく,これまで以上に厚い作品が制作できればと思っております.

 さて今回の記事では、「田澤遵」をご紹介致します。

田澤遵 JunTazawa

  • 1984年生まれ,神奈川県出身,明治学院大学卒
  • 劇団設立より俳優として所属
  • 第一回公演、第五回公演に出演

 全体的に暗い影のある俳優が多い獣の仕業の中では,貴重な「陽」属性.
 前回出演時,第五回公演「オセロ」では堂々主役を張ってくれた.

 そんな田澤遵を私が一言で表すなら「屈折のない」俳優だと思う.ありきたりに言えば「まっすぐ」な俳優だ.いや,真っ直ぐな「人間」だ.
 私にとっての真っ直ぐというのは「歪んだり逃げたりしない人間」と言う意味ではなくて,当然彼も歪んだり逃げたりして「曲がる」ことは結構あるんだが,そのときだって彼は「直角に」曲がっていく.私の目に映る彼の生き様にはカーブがないし,蛇行がない.きっぱりと歪んでいき,さっぱりと逃げていく.屈折は,迷いだ.蛇行は,嘘だ.迷いも嘘もない体当たりの直滑降の挙げ句,やがて一回り大きくなって目的地に到達する.私たちは彼の猛スピードを心配しながら,何処かで彼は大丈夫だろうと思っている.

 舞台を一度でも見たことがある方であればご存じの通り,舞台に立つとその配役の向こうに本人の影が落ちている.どんなに演技をしても(いや,演技すればするほど),観客は俳優本来の姿を発見するだろう.舞台は,嘘がつけない場所だ,どうしても.
 そんな場所で,彼の嘘のなさに私は目を引かれる.自分を良く見せたい・上手いと思われたいと言う気持ちが微塵もなく舞台上で果てしなく浮いた存在.それが吉と出たり凶と出たり.もうちょっと格好付けろよと思うこともある.でもその形振り構わなさから,天性の男らしさがにじみ出たとき,彼はとても知的で寛大でやわらかくなる.




最近,大減量に成功しました.主食はサラダチキンとサバ缶です.


さて田澤遵本人にも一言頂こうと言うことで,ふたつ質問をしました.
── 俳優としての自分の魅力は何だと思いますか?

「なにをしたらいいのかわからないから、取り敢えず小細工無しでストレートに魂剥き出しで演じる。あと獣一のスタミナ役者(暫定)」

── 今回の意気込みを一言お願いします.
「オリジナル脚本も久々ならば出演するのも久々!そして記念すべき10回公演!!我武者羅に演るしかないでしょ\\\\٩( 'ω' )و ////」



 以上,田澤遵の紹介でした!
 (次回は藤長由佳です)

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第十回公演「瓦礫のソフィー」
[See you, and thanks for all the Fishes]

日程:2015年12月5日(土)6日(日)
チケット発売日:2015年10月1日(予定)
開演時間:5日(土)15:00/19:00
     6日(日)14:00/18:00
 # 上演時間:85分以内(予定)
会場:吉祥寺櫂スタジオ
料金:2,000円(前売・当日同料金)
作・演出:立夏
出演:凛子 田澤遵 きえる 藤長由佳 雑賀玲衣 小林龍二
演劇ポータルサイト、Corich舞台芸術にも公演情報を掲載しております。
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第十回公演「瓦礫のソフィー」[See you, and thanks for all the Fishes] 出演者、タイムテーブル決定!

藤長です。ブログではずいぶんお久しぶりです。
9月も半ば近くなり、だいぶ秋めいてきましたね。
夏の終わり、秋のはじまりを経て、冬のはじめの公演に向かって、獣たちもうごうごもぞもぞと水面下で動き出しております。





さてさて満を持して、獣の仕業、次回公演の詳細についてご案内です。

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第十回公演「瓦礫のソフィー」
[See you, and thanks for all the Fishes]


日程:2015年12月5日(土)6日(日)

開演時間:5日(土)15:00/19:00

     6日(日)14:00/18:00

会場:吉祥寺櫂スタジオ

料金:2,000円(前売・当日同料金)

作・演出:立夏

出演:凛子 田澤遵 きえる 藤長由佳 雑賀玲衣 小林龍二

照明: 寺田香織

音響: 阿部健司(MUGEN☆PROJECT)

チケットの発売開始は2015年10月1日を予定しております。いましばらくお待ちください。

演劇ポータルサイト、Corich舞台芸術にも公演情報を掲載しております。

近日獣webにて、公演特設ページを公開予定。


また、当ブログにて出演者紹介記事を公開していく予定です。そちらもどうぞお楽しみに!





d-倉庫◎現代劇作家シリーズ5 J-P.サルトル「出口なし」フェスティバル 終演

獣の仕業「出口なし」上演写真

 立夏です。

 d-倉庫◎現代劇作家シリーズ5 J-P.サルトル「出口なし」フェスティバル無事に終幕致しました。
 ご来場頂いた皆様、ご声援・ご協力頂いた皆様、劇場・フェススタッフの皆様、共演くださった双身機関の皆様、獣の仕業スタッフ、キャスト… 多くの方に多大なご助力を頂きました。
 この場を借りて、深く御礼申し上げます。

 フェス・合同公演と言う形式で、今までお会いできなかった方や、色々な角度からのご意見を頂き、大変貴重な体験をさせて頂いたと思っております。
 御覧頂いた皆様に少しでも楽しんで頂ければ…。また「出口なし」の原作をこれをきっかけにお手に取って下さる方がいれば…私達にとってこれ以上の喜びはありません。
 皆様から頂いたご感想・ご指摘を旨に刻んで、これからも弛まず精進して参ります。



 今回の企画は、全10団体を5組に分け、2団体ずつの連続上演で「出口なし」だけを上演するというものでした。つまり、ご来場頂いたお客様は最低でも2本、別団体の同作品を御覧頂いたことになるわけです。作品を観る側にとっても、作る側にとっても、恐らく(殆どの方にとっては)特殊な体験だったのではないでしょうか(少なくとも「この短期間で」と言う注訳付きならば)

 「『観る』を問う, 『演る』を問う」

 これは今回のフェスティバルのキャッチコピーです。
 このキャッチコピーを見て自分が最初に感じたのは、「それは誰から誰への問いなのか」ということでした。
 問うているのは誰なのか。問われているのは誰なのか。

 それは「ご覧になって何を思いましたか?」 と言う制作側からの呼びかけかもしれません。あるいは「観る」と言うのはどんな行為なのだろう、と言う観客の皆様の中に湧き上がる疑問でしょうか。それとも「なぜ今出口なしなのか?」 と言う究明・・・、もしくは「演劇とは?」と言う命題でしょうか。
 あらゆる問い同士が、劇場に集い出会って行く。そんなたくさんの「?」が、この企画の源流に流れているように思いました。その流れの中で、最終的に「問いとは何であるか?」と言う気分だった私はさながら「『問い』を問う」状態でした。


 
 千秋楽の翌日となる昨日、各出演団体の演出家をパネラとして迎えてのシンポジウムが開催され、僭越ながら私も登壇させていただきました。
 そこでも数多くの問いが投げかけられました。
 演劇とは? 演出とは? サルトルとは? 出口なしとは? 地獄とは?「さあ, 続けようか」とは…?
 
 シンポジウムにご来場頂いた皆様のまなざしを感じながら、自分にとっての「演劇」「演出」「出口なし」をそれぞれの演出家がそれぞれの語り口で話していく様子…。
 結局開催時間は2時間強に及びこれがまさに地獄だと言わんばかりの深さと終わりのなさ! (最後に「さあ、続けるんだ」と言わなかったことを少しだけ後悔しております)。
 大変刺激的な体験でした。
 何より面白いと思ったのは、10団体が様々なやり方で創作しても、演出家がいくら話しても、やりつくせなかったこと、話しきれなかったことはまだまだ膨大にありそうだと言う気配! しかしもし何十年と「出口なし」フェスをやったとしても、全員が納得する絶対の答えは恐らく永久に現れないでしょう。

 ところで、出口がないと言うことは、答えがないと言うことにとても良く似ていると思います。

 しかし、それでもなお、皆さんが観たものは事実です。

 もしどうか答えがあるとすれば、今回のフェスをご覧になったお客様ひとりひとりの中に、その答えのようなものがあると思います。
 私達の作品がどのような様であったか、それは作品自身である私達の中にではなく、それを観てくださった皆様の中にあります。
 獣の作品に準えてしまうならば、作品の反射こそが作品そのものなのだと。

 皆さんが観たもの。それが答えです。
 その真実がどんな権威や、経歴や、経験を前にしても揺らがないことを私は望んでいます。仮に作品そのものがそれを否定することがあったとしても、「観客」の観たものだけが作品の答えであって欲しいと思っています。
 
 「演る」が問い、「観る」が問う。発言していく。そうして反射を繰り返し、たくさんの問いを浮かび上がらせていく。問いはまた新たな問いを生む。その問いが演劇の外にも伸びた時、私達の演劇はこれからも続いていけるのではないでしょうか。

 演劇について対話していくこと。その価値を改めて考え直して行きたいと思います。



 獣の仕業の次回公演は未定ですが、目標としては年内です。決まり次第こちらやHPで発表致します。
 それまでに自分の未熟さや至らなさも問うて行きたい次第です。

 最後に、フェスティバルに共に出品された団体に皆様の今後の更なるご発展をお祈りすると共に、このようなフェスを企画して下さり、素晴らしい機会を与えてくださったd-倉庫の皆様に、改めて心より感謝致します。

 希望と決意を込めて。
 立夏

◆本番直前◆「出口なし」[Huis Clos] 登場人物紹介

獣の仕業 d-倉庫@現代劇作家シリーズ5 参加作品「出口なし」
The Act of Beast [Huis Clos]
の上演がいよいよ来週となりました。

そこで本公演の登場人物紹介を写真付きで致します。

※ 本編のあらすじにも少し触れることとなります。
※ ネタバレが苦手な方は引き返して頂くかもしくは薄目でもって写真のみご覧頂ければと思います。


 まず、獣の仕業の「出口なし」では”ある宿の一室”で相宿となる三名を「生前」と「死後」の2パートに分けることによって、同じ登場人物を「二人一役」で演じています。
 そのため、一人の登場人物紹介に対して二人の俳優が存在しております。

ガルサン

ガルサン

「眠らないことはなぜ苦しいと決まってるんだ。 それは切れ目のない生活だからだ」
「ガルサン、それはどういう切れ目です?」

ガルサンは徴兵忌避の罪に問われ逃亡しました。そして銃殺されます。




イネス

「あたしには分かってるんですよ。あたしは自分の姿を鏡で映してみたんですからね」
「イネス、捨てるんだ。手を開いて離すんだ。でないと君は人を不幸にしてしまう」

イネスは交際相手とガス心中を図りました。その相手は…




エステル

「でも二年前、あたしはあの人にあって。この人こそと思うようになりました」
「エステル、エステルさん、あんたは何したの?」

金髪の女 エステル。彼女は夫以外の男に恋をし、その後肺炎になったと語りますが…



 それぞれの場所で命を落とし、そして地獄の一室である宿に訪れたガルサン、イネス、エステル。出口なしは他人同士である彼ら三人の対話です。
 そして獣の仕業では彼ら三人をそれぞれ二人の俳優が演じる、彼ら自身の内面の会話も舞台に立ち上げていこうとしています。
 その部屋には鏡がありません。しかし彼らは自分の心の中身に鏡を持ち、自分や他人に張り付いた自分自身をいつも見つめているのです。それは今生きている私たちにも同じ事が言えるでしょう。




ボーイ

ボーイ

「焼き串? ございませんよ。…冗談でしょう」


彼らを宿に案内するボーイ。





 以上で登場人物紹介は終わります。
 最後に、今回出演する俳優陣を紹介致します。


ガルサン(死後):小林龍二


ガルサン(生前・あるいは鏡/虚像):コイズミショウタ(コジョ)


イネス(死後):手塚優希


イネス(生前・あるいは鏡/虚像):藤長由佳


エステル(死後):きえる


エステル(生前・あるいは鏡/虚像):雑賀玲衣


ボーイ:佐藤辰海(guizillen)



獣の仕業 d-倉庫@現代劇作家シリーズ5 参加作品
「出口なし」
The Act of Beast [Huis Clos]

■チケットご予約■

【Webフォーム予約】
カルテットオンラインチケットフォーム 


日時:
2015年5月10日(日),11日(月)
10日(日)19:00/11日(月)19:00

料金: 前売2500円、学生2200円
    当日2800円、学生2500円

d-倉庫◎現代劇作家シリーズ5:J-P・サルトル「出口なし」フェスティバル参加のお知らせ





長らくお待たせいたしました、上半期の公演についてお知らせいたします。


獣の仕業がd-倉庫@現代劇作家シリーズ5:J-P・サルトル「出口なし」フェスティバルに挑みます。

d-倉庫◎現代劇作家シリーズ5:J-P・サルトル「出口なし」フェスティバル(別窓でd-倉庫のサイトにジャンプします)



20世紀を代表する哲学者、サルトル。

その戯曲、l'enfer, c'est les autres-「他人は地獄だ」というセリフで有名な戯曲「出口なし」。

d-倉庫主催、全10団体が「出口なし」を上演するこのフェスティバル。




1公演につき、2団体による2本立てです。

獣の仕業は、双身機関さんと共に以下の日時で公演します。




日時:2015年5月10日(日)― 5月11日(月)

   両日19:00より開演/18:00より受付開始




料金:前 売2500円 ― 学生2200円

   当 日2800円 ― 学生2500円

   通し券5800円 ― 学生5000円(全10団体が見られる通し券です)

   ★学生は要学生証

   ★通し券はd-倉庫のみで販売




演出:立夏

出演:小林龍二.手塚優希.雑賀玲衣.藤長由佳.きえる.佐藤辰海(guizillen).コイズミショウタ(コジョ)

音響:阿部健司(MUGEN☆PROJECT)

照明:寺田香織




チケットのご予約方法など、詳細は随時お知らせいたします。