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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

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「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌」に寄せて

こんにちは。立夏です。
 獣の仕業第七回公演「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌」が先週9月29日に無事千秋楽を迎えました。
 お陰様で土曜日もほぼ満員、日曜日はマチネ・ソワレはどちらも完売となりました。ひとえにお客様一人一人のおかげと思っております。
 また満席の為席間などご不便をおかけしたことも多いと思います。キャンセル待ち多大なご協力をいただきましたこと、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

 それではご挨拶に代えて、今回の上演に至るまでの話を書かせていただきます。

 各所で何度も申し上げていてだんだん自分でもくどくなって参りましたが今回の作品は獣の仕業の旗揚げ公演の再演です。
 私たちは2008年の時に獣の仕業を旗揚げしました。今から五年前です。初演の際には大学卒業したての年齢から高校生の年齢を振り替えって「今から七年前」と言う台詞があるのですが、再演の今回では「今から五年前」に改訂しました。これは今の私たちから旗揚げをした時の自分たちを振り返った時の年数です(この変更は個人的なこだわりで脚本のストーリーには何の影響もありませんが、初演の時より再演の時の方が若いということになるのですかね?)

 今回の再演に当たって当時の戯曲を読み返しました。
 当時はもちろん最高傑作で書いておりましたが今読み返しますと書きたいこと以外のことがずいぶんたくさん書かれているような気がしました。
 
 そして今でも思い出すことがあります。群集の再演が決まった時私は藤長さんに「話したいことがある」と言われました。そしてある喫茶店に行きました。彼女は初演時の脚本を広げてあるページを指さしました。
 「立夏さんが書かなきゃいけないのは、ここなんじゃないかと思う」
 それは初演でも再演でも彼女が演じた主役の「麻生ふるえ」が物語のクライマックスで語るあるセリフの部分でした。

---
 けれど、私は、言葉を、デモをやるための言葉を持っていなかった。それは私の中に言葉が足りないのか、それとも本当はこの街を守りたいなんて、それは嘘なのかもしれない。
 私は、何かを言わなくちゃと思ってた、誰にでもいいから、なんでもいいから、今言葉にしなけりゃ失ってしまうものを守る為に。だからみんなを集めたんだ、
 でもそれは、きっとこの街そのものじゃない、きっと、いや、必ずそうなんだ。
 私が本当に守りたかったものは、伝えたいものは、デモで、一言で言えてしまうような、一言で伝わってしまうような名前のあるものじゃない、街が変わることによって私の中に生まれてしまった私の中の不整合を…違う、それも違う、この街の景色が変わっていく…私のすべてはその景色の中にあるのに、変わってしまったらなにかを思い出せなくなることが、忘れてしまう事を許さない景色が、崩れていく事が…、

 (初演「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌」より抜粋
---
 
 「書かなければいけないのは、ここだと思う」もう一度彼女は言いました。「本当はここを立夏さんはもっと、書きたいんじゃないかって」

 思えば今でこそ私の脚本に対してしっかりとしたアドバイスをくれる藤長さんですが、彼女が脚本に関して何かを告げてくれるのはそのときのそれが初めてだったのではないかと思います。それだけ、初演の主演を演じたことも手伝ってそして何より自分たちの始めの作品に対しての思い入れが伝わってきたのでした。
 私も思いました。「確かにここは当時書ききれなかった部分なのかも知れない」当時は気が付いていなかったのですが、この台詞は脚本家としての私の敗北のようにも見えました。役柄がまるで考えることを放棄しているようにもとれる台詞でした。
 再演とは何でしょうか。もう一度同じ作品を見たいと言う観客の期待に応えること。それも大事な使命です。ですから、結構、悩みました。しかし当時のわたしたちよりももっと素晴らしいものが見せられるのであれば、再現性はなくても構わないかも知れない。今大事なのはストーリーよりもあの街に住んでいた彼らの気持ちを当時よりも鮮やかに徹底的に書ききること。私は団員達に言いました。「全部書き直すことになると思う。ストーリーも変わると思う。だから、もし読んでみて、それが再演に見えなければ、そういってくれて構わないです」と。
 結果的にできた物語はその通り初演とはだいぶ異なるものになりました。関係性や肩書きもラストの種明かしの部分も違っています。ただ彼らの心と「街に落ちる夕日」「夜の底の月」は同じです。五年前の気持ちのように書きました。当時は気づかず書いていた自分の嫌なところとか図々しい部分もそのまま書いたのでまあ随分気恥ずかしい気持ちと闘いながらの執筆でしたが…。そんな自分が五年で居なくなるわけもないので、余計に辛いですね。そして初演時の台詞も初演の時のはまた違った味わいで・実は・結構残っています(これは初演を見て下さった方と私達の秘密の楽しみと言うことですね)

 それから手前味噌ですが初演の時にやりたくでできなかったギャップを五年経った役者達が見事に埋めてくれた印象です。いつも一緒に居るのでなかなか気付きにくかったので本当に申し訳ないですが、本当にソレは、思いました。
 
 やっとここまできました。観客の皆様、それから携わってきて下さった沢山の人達に導かれて。
 もしかしたらあの物語は五年間わたしたちのことをずっと待っていたのかなという気持ちです。

 今はとても前向きな気持ちで、さあ、これからどこにいこう、ということを考えています。

 獣の仕業の2013年の公演はこの「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為」が最後です。次回の公演は来年の…未定です。いつも公演が終わらないと次のことを考えられないのがサガです。
 ただ公演は来年までありませんが、ちょっと色々と水面下でゴニョゴニョしております。まだお知らせは出来ませんが、もしかすると今年中にふいにしょっこりと・こちらで何かお知らせできるかも知れません。なかなか歩みののろい私達ですが、これからも末永く見守って頂ければ幸いです。

 それでは、この度はご来場頂いた皆様・ご声援下さった皆様、誠にありがとうございました。
 またお会いしましょう!
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荻窪小劇場までの道のり&ご予約状況

いよいよ本日から!!
第七回公演『群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌』

ここで!駅から劇場までの道のりをご案内したいと思います。
基本的に“道なり”ですので、あまり迷わないと思います!
ぜひご参考にしてください!!


①荻窪駅南口を出ます


②地上に出たら、駅を背にして真っ直ぐ進みます


③線路側(左手側)ではなく、右手の方を歩いてください

途中にはローソンもあります。

④そのまま道なりに真っ直ぐ。

左手に見える風景。

⑤しばらく進むと右手にはAmericanExpressが。まだまだまっすぐ。


⑥しばらくすると青梅街道に出ます。でもそのまま道なりに。

ラーメン二郎もありますが、そっちに行ってはいけません(笑)

⑦ファミリーマートを越えた少し先に荻窪小劇場があります!!

ゴール!!


ぜひこちらをご参考に!!




また、ご予約状況ですが

(28日0:00現在)

28日(土)16:30▲/19:30△
29日(日)13:30×/16:30▲

△→お早めに!
▲→売切間近!
×→完売御礼!!


29日(日)13:30の回はお蔭様で完売いたしました!
当日券に関しては、この後11:00頃に発券の有無をご案内いたします。



劇場でお待ちしております!!!



獣の仕業

第七回公演「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌」◆残席状況・当日券発券情報のお知らせ◆

第七回公演「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌」◆残席状況・当日券発券情報のお知らせ◆


いよいよ今週「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌」が上演されます。
お陰様で各回完売間近となっております。ご予約の方はお早めにどうぞ!
またBlogとTwitterで各回の残席および当日券発券情報を以下のURLにてお知らせしますので是非チェックして下さい。


◆獣の仕業公式マスコット【けものちゃんTwitter@kmn_chan_bot】は最新の残席状況と、当日の11:00頃には当日券情報もお届けします!
◆獣の仕業Blog【獣の仕業のしわざ】では最新の残席状況をお届けします!


一番最新の情報はお電話にてお問い合わせ下さい。090-2750-9136(制作)
  • 獣の仕業第七回公演「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌」
2013年9月28日(土)29日(日)@荻窪小劇場
作・演出:立夏 出演:手塚優希、小林龍二、藤長由佳、雑賀玲衣、他
日時:

2013年9月28日(土), 29日(日)
28日(土)16:30/19:30
29日(日)13:30/16:30
料金:2,000円(前売・当日ともに同料金)※受付開始・開場は開演の30分前です。

演出ノート、劇場アクセスなどの詳細はこちらの【公演特設ページ】からどうぞ。


皆様のご来場心よりお待ちしております。

本番まで9日 - 「しんししんしん」

こんにちは。小林なのです。

自分で「本番まで9日」と書いて、ビビッてしまいました緊張して参りました(笑)

さて先週、こちらのブログや各団員のツイッターなどでお知らせ致し、YouTubeに上げ第六回公演「オセロ【Othello the Shakespeare】」ダイジェスト版ですが、再生回数が早くも200回を超えました!

他の、何千回・何万回という再生回数に比べると少ないように思われるかも知れませんが、私個人と致しましては、「そんなにたくさん!ハート」という気持ち、それは感謝感激以外の何ものでもありません。ご覧になってくださった皆様、本当にありがとうございます。
私に限らず、団員一同、本当に嬉しく思っております。

5年目にして、この試み、です。
フライヤーとは違う宣伝方法、ということを踏まえて取り組んでみました。
前回も記載しましたが、楽しんでご覧頂ければ、至極幸いです。ありがとうございます。


さてさて、オセロはもう昨年の話。
映像の最後にも告知しました、本公演がとうとう来週末に迫って参りました。
光陰矢のごとしとはまさにこのこと。季節もすっかり夏が過ぎ、先日の台風で熱気がすべて吹き飛んでしまったかのような涼しさです。

先日、9月16日に獣の仕業恒例の3本通しをやりました。
ちなみに、「通し」というのは、本番の如く最初から最後までを「通し」て行う稽古のことでございます。これを当方では、本番が近くなった段階で一日に連続で「3本通す」ことを毎公演で行います。もちろん、体力も精神力も集中力も回を負うごとに磨耗していくのですが、それでも着実に保ち、あとは「気力」で乗り切る、これが当方の3本通しです。
それぞれの力が磨耗されていくのですが、それでも、芝居がよくなっていくという実感を私は得ます。また、今まで全体像がはっきりと見えていなかった状態だったものが、この3本通しによって「なるほど、そういうことか」とそれまで気づいていなかったことに気づくこともあります。つらくて大変、でもやりたい、と思える獣の風物詩です。

ただ、「やりたい」と言っても、そこは誰もが人の子。
「やだー3本目やりたくないー」と寝転び、駄々っ子のように動こうとしない。
演出の立夏が「ほら、やるんだよ!」とその手を引っ張って、最初の立ち位置に引きずっていくこともしばしば。だいたいそこで腹がめくれ、あられもない姿で立ち尽くすのが、私です。このような現象は、確か第四回公演の「飛龍伝」や第五回公演の「せかいでいちばんきれいなもの」であったように思います。「龍が飛ぶでもなくただ鯉のまま池を這い回る姿」と「せかいでいちばん醜い姿」がそこにあったように思います。どうも、小林です。魚座です。龍二です。アヒルの子です。


いつもそうなのですが、皆様に観て頂きたいです。いえ、醜い姿ではなく(笑)
私は以前、第五回公演の際「獣の仕業は第二章に入るかも知れない」と書いたことがあります、このブログのどこかでだったと思います。
しかし、今思うと、本当は今がそうなのではないかななどと思ったりします。

だって、旗揚げ公演の再演なのですもの。
そうなのですもの。


ただただ、誠心誠意、余すことなく、届けと、届かなくてもまっすぐに立てるよう、真摯震心、芝居をします。よろしくお願いします。


小林龍二(魚座)

YouTubeに映像をアップしました!第六回公演[オセロ Othello the Shakespeare] ダイジェスト版】

こんにちは。小林です。

YouTubeに、第六回公演[オセロ Othello the Shakespeare]のダイジェスト版をアップしました。



本公演をご覧になった方も、ご覧になられなかった方も、皆様お楽しみ頂ければ幸いです。

過去の公演情報などはこちらから


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獣の仕業 第六回公演「オセロ」
the Act of Beast 6th Stage [Othello the Shakespeare]


<あらすじ>ある国で敵国の征伐をしている総督のオセロは黒い肌を持ったムーア人である。
オセロは、白い肌をした美貌の妻鞆音と結婚するが、それを良く思っていない者がいた─「正直者の夜光」である。

彼は自分の軍の中での立場に不満を持っていた。
格下だと思っていたカシオが副官に出世し、自分が旗手止まりであること、そしてそれを決定したオセロを憎んでいるのだ。

彼はある計画を思いついた。それはオセロとカシオを両方陥れる、ある「嫉妬」の計画である。

自分の妻である月華、親友と呼ぶ流吾を口車に乗せ、夜光はオセロを嫉妬の罠に掛けていく。
ゆっくりと、しかし確実に、オセロは鞆音に対して、嫉妬の化け物を育てていく─
その化け物は次第にオセロの手を離れていき…


シェイクスピアの四大悲劇『オセロ』を、獣の仕業が演じます。
この物語、愛か罰か・・・



脚色・演出: 立夏

原作: ウィリアム・シェイクスピア『オセロ』
翻訳: 坪内逍遙


出演:
田澤遵
雑賀玲衣/森宏之(team8890)/手塚優希
小林龍二/倉垣吉宏(舞台芸術創造機関SAI)
凛子/藤長由佳


日時:
2012年9月29日(土), 30日(日)
29日(土)13:00/16:30/20:00
30日(日)13:00/16:30

会場:
APOCシアター(小田急線「千歳船橋」駅から徒歩2分)