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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

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「助ける」に寄せて

今回の公演のタイトルは「助ける」です。

 舞台上には、女医と、かつて彼女の診療所に訪れ「あなたの患者だ」と進言する男が現れます。


 誰かが誰かを助けるというのは・どういうことなのか、と言う事を、私は近頃・ずっと考えています。今まで沢山の人に助けられて、ここまできました。けれど今まで私は、誰かを助けてきた事があっただろうか。無力な自分の手を、じっと見つめて、私達の手が今此処にあるということ、それについてだけただ書いたモノが「助ける」です。

 
 私は、今回の作品を自分の中ではあえて「この物語は」という表現をしないようにしています。
 今回は、多分、些細な違いですが、きっと物語ではありません。目を閉じればいつでも私達の側にあり、耳を澄ませればいつでも聞こえるような音程です。それを私は「ノック」と呼んでいます。

 日常を過ごしているときに、こつ・こつと私達の窓を叩く者がいます。それを何と呼んでいるかは、わたしたちひとりひとりが異なっている事でしょう。
 劇場に足を運んでいただいた皆様にとって、それが何に見えるか、「助ける」は獣の仕業からの「尋ね」のようなものです。


 さて、本日が「まめ芝。」イベント自体の初回でした。我々の出演する劇場「ワンススタジオ」は明日が初日となり、獣も明日開幕です。「私達の表現」ではなく、「私達と客席の皆様の表現」を作りに参ります。


 いつもより静かで・曖昧でいて・おそれのある作品となった「助ける」
 ぜひ劇場に会いに来て下さい。心より、お待ちしております。


 ここからは最終稽古の写真をアップしていきます。内容に触れたくない方は終演後にご覧下さい。



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いよいよ獣の仕業「助ける」(まめ芝。参加作品)今週本番です。

こちらではお久しぶりです。立夏です。

いよいよ今週、獣が参加している江古田の演劇祭「まめ芝。」が本番です。
本日は会場であるワンズスタジオさんでリハーサルを行いました。

本日のリハーサルの写真は後日
まめ芝。事務局ブログにアップされると思いますので楽しみにしていて下さい。

この一ヶ月間、短い中での濃密な稽古は今までにない経験でした…
稽古中に撮影した写真を少しご紹介します。

そして一緒に、今回出演する役者ふたりを、この場で紹介致します。

---写真付きなので、若干ですがネタバレになります。苦手な方はお気を付け下さい







今回二人芝居なのですが、ひとりめは女優の手塚優希です。
「オセロ」のときのような情念溢れる芝居が素敵です。





今回はどんな「女」を演じるのか、楽しみにしていて下さい。






そしてもうひとりは小林龍二、獣の仕業の看板男優であり「眼光役者」と言われているとか…
こちらの写真も鋭い視線で手塚を刺しております。。

獣の仕業の中でも特異な存在感を放つ小林、
その空気感はぜひ劇場で味わってみて下さい。








役者にはそれぞれ千差万別の長所があるかと思いますが、
ふたりとも強烈な圧力のあるパワーアクターだと思っています。

稽古場でも毎週、食うか食われるかの戦いです…。

まだまだご予約受け付けております。
ご予約は、swz☆live.jpまたは090-2750-9136まで。

メールの場合は、
・お名前
・ご観劇希望日時
・枚数
・ご連絡先
を記載の上、お願い致します。

ご来場お待ちしております。



立夏

第六回公演「オセロ - Othello the Shakespeare - 」終幕のご挨拶と2013年のご挨拶

あけましておめでとうございます。立夏です。
 昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

 はじめてこのブログに訪れてくださった皆様、はじめまして、獣の仕業です。
 ご来訪いただきましてありがとうございます。

 さて、まずは昨年9月に上演されました「オセロ」につきまして、ご来場いただいた皆様・ご声援くださった皆様まことにありがとうございます。
 その後すぐに女優で所属しているDramaticCompany Inhighsの公演の稽古に入ったのとそのほか個人の事情でしばらくまとまってお返事を書く時間が取れなくなっていました。
 あっという間に年を越してしまって、すいません。
 その間にも「ブログ見てますよ!」と声をかけていただくことが何度かありそのたびに恐縮でした。。。
 こうして皆さんにようやくご挨拶をすることができて、本当に嬉しいのと、一安心という気持ちと…。

 お客様にいただいたご感想をまとめました。毎公演これが宝物なのです。
  ◆獣の仕業第六回公演「オセロ - Othello the Shakespeare - 」感想まとめ
  http://togetter.com/li/381789

 「オセロ」は皆様に暖かくご支援いただきまして無事に終幕いたしました。
 また今までで一番お客様からの反響が大きかった公演でもありました。手放しにほめていただけ方もいます、真っ向からNOと仰った方もいます、今までの公演と比較してお言葉下さった方もいました。どの方もどの言葉も本当にありがたく頂戴いたしました。
 獣史上ないバタバタ感と密度の中であっという間の本番二日間。千秋楽には台風まで来まして、何とかメンバーも電車で帰ることができて、私は藤長の家に泊まらせてもらったのですが、ふたりともなかなか寝付けなくて皆さんの感想を読みながらにやにやしたり「むーん」と真面目に考え込んでしまったりして、いい夜でした。帰宅した参加メンバーもそれぞれに思いを抱きながらの岐路であったかと思います。
 
 始まる前は第五回公演「せかいでいちばんきれいなものに」で作家としても演出としても今までの集大成としてひとつ「やりきってしまった感」があり、バースト気味だったものですから、シェイクスピア作品の脚色演出・・・ソンナノデキルワケナイヨーとうじうじしていましたが、まあこれはいつもそうですね、企画立ち上げして脚本の締め切りなんか決まってきますとすごく落ち込んでしまって「ああ、どうしてやると言ってしまったんだろう、本当に辞めてしまいたい今から誤れば中止にならないだろうか」と一日中悩んだりするもので、稽古が始まったら始まったでまた上手くいかないことばかりで本番も怖いですし体力的にも精神的にも消耗してイヤヨイヤヨ状態でした。
 それが本番お客様の拍手を頂くと吹っ飛んでしまって、「よかった」と言われると天にも昇る気持ちになっちゃって、打ち上げのときには「次は何をやろうかなー」ってみんなでまたくっちゃべってるわけだからこの変わり様ったらむしろ、もうこれこそが「続ける」という才能なのかな・と思っています。

 「オセロ」公演の内容についてや取り組んだ事などについてはまたどこかで。今回は映像スタッフの方に力作の映像を撮影いただきましたので、今回の「オセロ」また何らかの形で皆様にお目見えする日が来る・・・予定です・・・!!

 獣は今年の公演についてすでに動き始めています。またお知らせできることもすぐあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

 また最後になりましたが、昨年私たちの出演したさまざまな舞台についてご観覧いただきましたすべてのお客様に感謝いたします。ING進行形、マクガフィンズ、劇団ゴールデンタイム!のお客様とスタッフ・キャストの皆様にも本当に感謝いたします。そして私の代表、DramaticCompany Inhighsの左さん、いつもありがとう。

 本年が皆様にとってよい年になりますよう。また獣の仕業を今年もよろしくお願いいたします。

  立夏 拝

第六回公演「オセロ - Othello the Shakespeare - 」初日終了しました。

立夏です。



第六回公演「オセロ Othello the Shakespeare」無事に初日の幕を上げ、終了しました。

明日はもう千秋楽です。うちは土日のみの公演なので、初日の翌日は即千秋楽ですね・・・。

いろんな方に「もっとロングランをやればいいのに・・・」と勿体なさそうに言っていただけています。

言っていただけることがそれ自体、幸いなことと思っておりますが、

確かにあれだけ稽古に稽古を重ねて、上演が二日間だけと言うのは、本人たちとしても何より、…もっとたくさんのお客様にこれを、届けたいと思っておりますから・・・



前置きが長くなりましたが、初日全3ステージ、ご来場いただきましてまことにありがとうございます。

各回、役者、スタッフ一同、精一杯お届けいたしましたが、いかがだったでしょうか。

メールでもご感想をお待ちしております。

一言でも、叱咤激励でも、すべて私たちの糧になりますので、

もしお時間がありましたら、お言葉いただければとてもうれしいです。







今回千秋楽前に筆をとったのは、

今回特に、お客様に支えていただいて上演ができている、ということを強く感じたからであります。

オセロを経て、今までの公演も当然そうだったのだと、かつての公演のことを思い返しています。

来てくださった方はもちろん、今回はお運びいただけなかった皆様からのたくさんのお言葉を頂戴しております。

本当に、愛していただいていると思います。



それに、どうやって、どこまで、まっすぐにお答えできるか・・・



今回APOCシアターは非常に残響の強い劇場です。

声は大変よく響かせていただいているのですがその分音が奔流し、劇場に入ってから随分手を入れています。



そしてその環境の中で、お客様が実際にはいられると、響きが随分変わります。

人間の体や衣服は少なからず音を吸収します。

つまり私たちの台詞の奔流を、お客様ひとりひとりが引き取ってくださっている・・・



私はよく、事あるごとに演者たちに申し上げておりますのが、

「あなたたちだけがお客様に届けるのではない、

 あなたたちが何か・どんな些細なことでも伝えようとするたびに、お客様もじっと、それでも大きなものを、

  客席から【表現し続けてくれている】のだということを忘れないでください」と



演者が一方的に伝え続け、お客様から何も受け取らない、お客様の呼吸に耳を傾けないこと目を配らないこと・・・

 個人的な思いでありますが、私にとってそれは演劇(または舞台表現)ではありません。



きてくださるお客様も、私たちと同じかまたはそれ以上に表現者なのです。

舞台上には照明が強く照っています。

対して客席は暗くなっており、お客様の姿は暗闇の中に隠れています。

ですが、舞台上にいる演者もとよりスタッフは、その暗闇の中からお客様を見つけるべきなのです。



ほかの団体様がたがすべてそのようにしているかといえば、おそらくそうではありませんが

少なくとも獣の仕業の製作者たちは、暗闇の中の皆様の姿をいつも見つめ、その音を聞いています。

隣にいる自分の共演者たちに送る視線と同じように全神経を集中してあなたたちの表現を感じようとしています。



私(わたしたち)にとっては、それが舞台表現です。



どんなに常識を超えても、どんなに激しい動きであろうと、私たちはあなたがたひとりひとりのことを知っています。



ですから、私たちを見に来てください・だけではお願いは足りず、

 どうか私たちに、あなたの・あなた自身の表現を、教えていただけないでしょうか。



皆様と、あなたと、出会えることを心よりお待ちしております。







立夏 拝