「ヴェニスの商人」9/6,7 稽古場日誌 次回公演 2014年09月10日 0 「ヴェニスの商人」Webイメージカラー版できました立夏です。あっという間に涼しくなりましたね。急に半袖が寒いと感じますね。自分は半袖に血道を上げておりますので、もう少し街行く皆様の半袖と袖からのぞく二の腕を眺めていたかったのにまた一年お預けです。ええ、はい、いいえ。いや、そうだ、僕には稽古場と言う半袖の楽園があったじゃないか。というわけで9月に入ってもまだまだ熱い獣の仕業の稽古場です。こういうのを「マクラ」と言うそうです。ところで役者の皆さん稽古場にはどんな服装で通勤? していますか。乱暴に分けると獣の稽古場には「稽古にお洒落は不要だ!」と言う人と、稽古場でも普段通りお洒落な人がいます。※ 普段からお洒落じゃない人は獣にはいません、はい、いません。本当です。今回第六回公演「オセロ」から二年振りの出演となる凛子は普段も稽古場もハイパーお洒落ガール 見よ! この輝き!これは衣装バレ写真ではありません。私服です。格好いいもんね。稽古の後串カツを食べに行ったらしい凛子さん。や、これ、揚げ物食べに行く格好じゃあなかろう。稽古も順調に進んでおります。 順調に人間関係が育まれる様子 微笑ましくそれをみつめる様子の藤長さん の、アップ 本物はこちら「ヴェニスの商人」のタイムテーブルが近日発表予定です。また、チケット発売日は10/1です。上記も含めて、こちらのブログか公式ホームページにて改めてお知らせいたします。 PR
「ヴェニスの商人」稽古場日誌 8/23,24・8/30,31 次回公演 2014年09月08日 0 「コンニチハ! アタシ キエル!」立夏です。9月になりました。季節も夏から秋の境目、獣の仕業「ヴェニスの商人」の稽古も中盤戦に入りました。EgHOSTの本番が終わり、稽古場には女優「きえる」が本格参戦(本番前のOFFの時間を縫って何度も来てくださっておりました)一同大盛り上がり!稽古場で貴重?な 「はしゃぐきえるさん」の様子を写真に収めました。ご覧ください。 「わーわー!」 「わーわーわー!」 女子「女子祭りじゃー!!」(スポイルされる男子) 男子「俺はもうダメだ!!」 ちゃんと真面目にアップもしています。序盤稽古では獣の仕業の作品作りの仕方をエチュードやゲームを用いて共有するのがメインでしたが、月末からはがっつり脚本にも取り組みます。 あれこれ考えても始まらん!とりあえずまずは動いてみようぜ! とはいえ話し合う事も大切。作品の輪郭が出てくるのは、多分もう少しだけ先のお話。それまではゆっくりしっかり確実に土壌を育てて行きます。脚本を書き終わるといつも、ひとつの区切りというか・これで完成と一瞬は思うんですけど、やっぱり、稽古場で役者さんたちが台詞を呼んでト書きを身体で表してくださると世界は一変します。脚本と言う二次元の世界から、稽古場と言う三次元へ。どちらが良いかは、人それぞれ。けど私は稽古場で立ち上がる光と音に、人間の生きる力強さ、これからの湿った森の匂いや見逃せなかった一筋の涙の後を、より一層強く想像させられるのです。「空騒ぎ」[Much Ado About Nothing!] DVD 物販のお知らせ獣の仕業第八回公演「空騒ぎ」[Much Ado About Nothing!] DVDのコメンタリー収録を先日行いました。小林、藤長、立夏が映像を見ながら時に(主に?)ダラダラ喋ったり、時に当時の稽古の取り組み回想などの製作裏話を語ったり。収録した内容は「ヴェニスの商人」の受付で販売する空騒ぎDVDの特典副音声として聞く事ができます。今迄見てくださった方、そして未来で私たちの舞台に足を運んで下さる方へのささやかなオマケです。その他の物販情報は「ヴェニスの商人」の公演情報詳細発表と同じく、決まり次第こちらのブログかホームページでご案内差し上げます。
ふと、雨 その他 2014年09月01日 0 ふと雨なんか降っていて、それが窓を叩くから。「どうして自分は役者をやっているんだろう」と思った。迷いがあるわけじゃない。だけど、役者ってものは、自分の中ではすでに特別でそして変わらないものになっていることに改めて気付いたんです。どうなっても続けていくんだろう、とか。どうすれば続けていけるんだろう、とか。ある意味、いえ、もちろん、という言葉の方がしっくり来ますが、役者を続けるために仕事を変えようと、具体的にまで考えている自分が昔からいます。誰に頼まれているわけでないのに舞台に立って、お客さんを呼んで、観てもらって、誰に頼まれているわけでもないのに、また次の舞台に、役に会っていく。自分は、何かあるんじゃないかという欺瞞を持っていました。音楽でも文学でも美術でも、なにかしらの唯一の才能のようなものを信じていた時期があったわけです。しかし、それは、どれも中途半端だったりして、絶対音感も持てず、それだけで音楽をあきらめたり、そうすることに慣れていったような。演劇は、たとえ才能がなくてもできる。才能があってもできる。やるか、やらないか。始めるか、続けるか、やめるか。それだけの純粋さを感じている。そして恐らく、自分の場合、一度やめてしまったらもう二度と「役者」だとは言えないような気がする。そうすると、いよいよ「趣味」になってしまう。俺はそんなものを求めてきたわけじゃない。演劇は何かの手段なんかじゃない。役者は表現者である以前に人間だ。舞台は舞台じゃなくて、ただの空間だ。生き方でも、やることでも、何が優れているわけじゃない。優れているもの、劣っているもの、そんなもの、この世には本来そんなものたちはない。ただ人間ひとり命ひとつで、それが二人から生まれてきただけ。完璧なものはない。すべて整合されて理由があるものなんて、どこにもないんじゃないかと思う。小林にはなにがあるんだろう。ただ笑う。ただ悲しむ。ただ怒る。ただ、喜ぶ。それを100%。そんなものが演劇を構成しているわけではない。動きがかっこいいのがいいんじゃない。声がかっこいいのがいいんじゃない。台詞が、役が、掛け合いがかっこいいのがいいんじゃない。美しくなろうとしたらそんなに醜いことはないんだ。そんな実生活でも手に入れられるものあればいいわけじゃない。変わっているのがおもしろいんじゃない。私は、もっと人間になりたい。もっと人間らしくありたい。人間であって、獣であって、ただ生きているその人になりたい会いたい。愛は美しいの?友達は大切なの?大人は正しいの?人間は生き物なの?声はきこえるの?言葉は真実なの?雨は、静かな雨はないの?まぶしくない太陽はないの?夜は暗いの?月は優しい?なにがあるの。この世界には。あなたがいる。わたしがいる。あの人がいる。おまえが、いる。わかりません。たまに、本番前に逃げ出したくなることがあるんです。こわい。そう思うことがあります。自分のせいでその人が生まれ損なってしまうんじゃないかと、その命ひとつがどれだけ大切なのか私は知っているから。生まれなければ損なうこともない、けれど、お客さん、あなたのために生まれるこの人に会って欲しい。まるで、私は医者であなたがたは母のように。必ずすくいだしてみせる。取り出してみせる。必ず会って、巣立つ姿まで見て、ばいばいを。ありがとうを。最後まで看ていてくれて、育ててくれて見守っていてくれてありがとうございました。何度も何度も繰り返しましょう。出逢いましたね。「ヴェニスの商人」稽古開始後より 小林龍二
脚本・演出作法その2: 劇場入り そのとき演出家はどうすればいいのか 脚本・演出作法 2014年08月21日 0 「舞台設置ですか!? わたし、てつだいますよ!!」(大きな声で言おう!) いつもご覧頂きありがとうございます。立夏です。 今年からこっそりと始めた不定期更新記事「脚本・演出作法」ですが前回その1の更新が4月でした。 その1の記事の中で私、こんな風に書いておりました。 来週の稽古に向けて脚本をがすがすと書いているのですが、脚本を書いているとTwitterやブログなどのそれ以外の媒体の投稿量・頻度も増えてしまう事ってよくありませんか? そうなんですよ、今も「ヴェニスの商人」を書いているのですよ・・・、文章の息抜きに文章を書くのが私です。多分そういう人は多いと思うんですが、「息抜きに掃除をするようなタイプだったら今頃私の部屋はキラキラのはずなのになあ」と地獄のような部屋を眺めたりします(本当はそこそこ綺麗ですけど) さて、体系立った技術や為になるような論述はなにひとつ書かない脚本・演出作法、 精神論や偏屈な思い込みばかりの脚本・演出作法 その代わりと言ってはなんですが、私自身や周りの方の実体験も含めつつで、いわゆる紋切り型のWebで検索すると同じような事を書いてある記事が10件20件出てくるような正統TIPSじゃない、かつ学校で教わるような基本のキの字もないような偏りのある邪道的独り言でもって、芝居を作る方や芝居を観られる方や、これから芝居をやってみようかなと言う人達の心をムズ痒くしていきたい所存です。 第二回目のテーマは「演出家は劇場で何をすればいいのか」 この一文だけでウンウンと頷いた貴方は演出家さんですかね? 「やることいっぱいあるだろうが! 滅びろ!」とチョップをしてきた貴方はスタッフさんですかね? 演出家って何してるの? と思った貴方はお客様でしょうか? 「そういえばアイツなにしてんだっけ」と思った貴方は役者さんかもしれませんね。 今回の記事の大前提として明言しておきますが、演出家は、劇場に入ったらやることがありません。 「マジかよ」「嘘吐け!」とか「やることあるだろうが!」と言うお声も聞こえてくるようですが、ありません。 正確に言えば頼まれ事はありますし、やらなければいけない重要なことも山ほどあります。演出が劇場入りのときに不要と言う事はありません。そもそも「劇場入り」自体が演劇製作の中では最も時間に追われている場ですからね。 ただそんな火事場で演出家は「自分きっかけで進められる仕事 および 単独でできる仕事が殆どない」のです。 照明や音響の確認作業は、照明・音響責任者合わせで進みます。役者の準備も役者本人がします。受付は受付スタッフさんがいます。それぞれの役割を存分に発揮してくださいます。 「本番の舞台は役者のものだ」と言うような言葉を皆さんは聞いたことがあるでしょうか。これは真実です。正しくは「役者と、照明・音響現場スタッフのもの」だと思いますが、舞台表現はそのときやったものがすべてです。演出家は本番の舞台にリアルタイムで関わる事はできません。幕が開けば、もういよいよ演出は無力で、口出しはできません※。本番が始まる瞬間に・早ければ劇場入りの時点で、演出家の職務は全うされているのです。 これこそが演出家が劇場入りしたらやる事がなくなる一番の理由だと思います。 ※ 私はいつも役者が裏でコッソリ口裏を合わせていて、本番で急に阿波踊りを始めたらどうしようと毎公演考えています。 さて、そんな「演出家」とは何でしょう。映画で言うディレクター、サッカーで言う監督、作品単位での最高責任者、雑用の頂点、公の下僕、王様、みんなのお父さん、お世話係? どう表現するかは座組によって様々でやることや立場も千変万化です。。 今回の記事では、架空の座組での「劇場での演出家の振舞い方」をご紹介します。 「演出家って劇場で何してるの?」はい、こんなことをしています。そのとき、演出家はどうするのか ※ 以下に記述してある内容はフィクションです。記述にはかなりの誇張・虚偽があります。 どうか真に受けず、適当に読んで下さい。 「あるある!」と思ってくれた方がいたとしても、これはコミック記事です。 「おはようございます!」 某日 AM10:00 某劇場に東京の劇団 「誰の仕業」がやってきました。彼らは明日から二日間本番、前日である今日は「仕込み」と言われる本番に向けた準備日です。 照明チームの皆様は車から照明を搬入するや否や釣り込み図を囲んで打ち合わせ。音響さんは黙々とスピーカーを天井上のバトンに設置しています。 照明仕込みが終わるのが14:00、その後照明の照らす位置の調整や音響の音量レベルチェックの後、照明・音響の本番でのキューを確認するのが16:00、最後にリハーサルを行うというのが本日のスケジュール。役者は午後から劇場入りです。 さあ早速演出家としての仕事は照明仕込みが終わる14:00までありません。どうする演出家!その1: 別のスタッフの振りをする すると演出家、鞄から大量の紙束を取り出しました。パンフレットです。 お客様に受付でお渡ししたり座席の上に置いてある「当日パンフレット」と呼ばれるものです。 大きさは座組によって様々ですが、A4に印刷したものを半分に折って中にアンケートやチラシを挟むのが一般的です。つまりパンフレットは印刷した後折らなければパンフレットとしての役割をなさないのです。 演出家、ロビーの隅っこでセコセコと折り始めました。後ろに居る制作さんが「私やりますよ?」と言っています。「大丈夫、大丈夫。私やるから~」と返す演出家。いいのです。これで30分は仕事があるのです。 このように劇場では「誰がやっても構わないし最優先でもないが誰かが必ずやらなければならない仕事」を率先してやる演出家の姿が良く見受けられます。 A4の紙を折るのは技術的には誰でもできることですが、その為後回しになりがちです。そんな仕事は演出家に任せておきましょう。 知識や技術がある演出家の場合には音響スタッフや衣装・小道具スタッフの手伝いをする事も可能です。おや、隣の劇場では照明設置をしている演出家がいるようです。楽しそうですね。彼はしばらく居場所に困らないでしょう。手伝う内容に相応する技術があれば本職の方に迷惑を掛ける事もありません。 彼らは決して100%の善意でやっているわけではありません。自分の居場所を確保する為にやっているのです。他のスタッフの振りをすることで演出家は「仕事をしている人」でいられるのです。 おや、「誰の仕業」の演出家、パンフレットを折り終わってしまいました。 すると劇場に霧吹きを始めました。劇場は乾燥することが多いので霧吹きで湿度をあげて役者達の喉を守るのです。ただ、役者の入りは午後ですよ? まだ早いんじゃないですか? ちょっと吹き過ぎじゃないですか?その2: 買出しをする お昼の時間が近づいてきました。演出家が財布を持って立ち上がりました。 「私コンビニ行くけど、何か買ってきて欲しいものある人いますか?」 出ました伝家の宝刀、「何か買ってきて欲しいものある人いますか」です。 これは「私は自分の都合でコンビニに行きたいのだがみんなの欲しいものを一緒に買いにいくことによって自分は人のために働いていると言う正当性をください」と言うお願いをするときに使う言葉です。タイミングがよければ何人かの人がお使いを頼んでくれます。 皆さんが演劇関係者の方でこれを言われた側の立場になった場合、欲しいものが決まっているのであれば遠慮なく頼んでください。ものづくりは助け合いです。「あ、じゃあお願い」。この一言が彼らの心を救うのです。 ちなみにこの技を使ったとき「適当にいい感じのお昼買って来て」と言われることがありますので注意してください。これは「説明はしないが私の好みをテレパシーで把握して唯一絶対の製品を購入してきなさい」と言う愛の鞭です。本当に適当なものを買ってきてはいけません。まして「全部自分の好きなものを買って何を選択されても自分が好きなものを食べられるようにしよう」などとあざとい事をしてはいけません。その場合に備えて座組の食べ物の好み、一回の昼食に払える金額の上限、摂取したいカロリー量は事前に把握しておきましょう。日頃からSNSストーキングを怠らないで下さい。その3: 次の公演の脚本を書く・演出プランを作成する お昼も食べ終わって13:00。14:00まではまだ若干の時間があります。しかし振りをできるスタッフ業務もなくなってしまいました。役者は14:00からの照明合わせ、その後のキュー確認に向けてアップを始めました。ひとりぼっちです。 こういうときの為にノートパソコンを持ってきてください。次の公演の脚本を書きましょう。「私は演出専門で脚本は書かない」と言う方は演出プランを考えてください。 ノートはできればMacBookAirを用意しましょう。格好いい感じが出せます。 ただ、格好いいからと言って調子に乗って駅のカフェに行ってはいけません。劇場内でやらなければ意味がないのです。「仕事をしている」と言う事を見せつけなければカフェでお茶をしているのと同義です。「俺は俺にしかできないことをしている」と全身全霊でアピールしてください。足を組んでください。Enterキーはやや強めに叩きましょう。気付いてもらえます。気付かれたからといって何が起こるわけでもありませんが。 また、客席設営をする前には速やかに撤退してください。その4: いっそ、何もしない。それから、 客席設営が終わりました。13:50。まもなく照明の準備も出来上がります。 演出家は出来上がったばかりの客席の最前列に座って舞台をじっと眺めています。 さあその目は何を考えているのでしょう? 分かりません。 すれ違った役者達や、操作室にいる照明・音響スタッフさんが時折演出家に何か声をかけています。質問をしているようです。回答をする演出家。 多分、演出家の仕事の一部は「何もしないこと」そのものなのだと思います。 ただそこにいて、何かが起これば考えて、回答する・選択する。その幾つかの選択はどうやら演出家にしかできません。なぜかというと、周りも、演出家本人も、そう思っているからです。 本番は役者と現場スタッフのものです。これは真実です。ですが、本番を背負う役者やスタッフの不安をひとつでも少なくできるように、お客様にもっと楽しんで・ワクワクしてもらるように、幕が開くまでのあとわずかの時間、演出家は舞台を見つめます。 時に役者の目線で、時にスタッフの視線で、最後に、お客様になりきって。演出家は何もしないでただ見ています。 もしかしたら演出家を志してこれから初めて舞台に立つ演出家さんがこれを読んでいるかもしれません。もしかしたらあまりの手持ち無沙汰にオロオロしたり、「何かしなきゃ」と慌ててしまうかもしれません。 でも大丈夫。あなたの視線は、あなたにしかないものです。 あなたが落ち着いていれば、座組も安心して貴方にいろいろお願いしたり、質問したりできます。 さあ、幕が開きます。素晴らしい舞台を!! どっちにしろ、この後そこそこ忙しいですよ!!
「ヴェニスの商人」 8/9,10・8/16,17 稽古場日誌 次回公演 2014年08月21日 0 獣の仕業は地味練が好き立夏です。獣の仕業第九回公演「ヴェニスの商人」[Kingdom Come]の稽古が今月から始まりました。今回の公演も不定期連載で稽古場の様子を写真でお届けします。本番まではまだまだ先?ですが、楽しみにお待ちいただければ幸いです。どの劇団でも初めにやることではないかと思いますが、まずは「獣の仕業」の芝居ってこんな感じでやりますよーと言う簡単なお作法をやりつつ芝居で遊んでみたりなど。小林龍二さんがきえるさんのお腹を押している様子。 「このお前の臓物が芝居の本懐だ!いいな!」「はいいい!」(とは言っていません) 意味深な写真が取れました。皆さんの心がふわふわふわと露になっていく様子を見れるのは稽古場の醍醐味のひとつです。ところで「心の壁」と世間で言うものがありますが、一般的には「壁が取れた状態」がイイコトとされているようですよね。啓発セミナーの広告とかみたことありますし。ただ、それって何が何でも外さなくてもいいんじゃないかな? と思うのが最近の私の気持ちです。外さなければ! となると壁って「悪いモノ」のように聞こえてしまうけれど、果たしてそうなのかなと思っています。必要ならあっていいものだし、それで例えば誰かや自分を不必要に傷つけるなら「カバー」はあったほうが文明として進化しているし、反対に外したければ勿論どんどん外せばいいだけのことで。ただもし舞台表現者に限定した話をするなら、今の自分の状態が壁があるのか/ないのかもしくはその中間の状態なのかを理解して、そしてそれが他者から見ても同じ認識なのか/ズレているのか、の確認は日々必要かもしれません。そうやって自分の癖と言うか「あり方」を見つめて、更にそれを出し入れできたら、嗚呼そんな人は今すぐ一緒に舞台をやりましょう頼み込みに行きます・・・閑話休題。 後半は「ヴェニスの商人」脚本にも取り組みました。役をぐるぐるローテーションしながらひたすら1シーンをマラソンマラソン! 先週の稽古では田澤さんと大学劇研時代の後輩さんS君が来てくれました。田澤さんの芝居が「オセロチューニングVer」で懐かしいと言う気持ちと彼の身体に「オセロ」と言う人間がまだ息づいているのを感じて嬉しくなってみたり。 田澤さんには女性俳優の代役を頼んだのでオカシナことに稽古場日誌は不定期更新です。次回をお楽しみに!獣の仕業公式HP【獣Web】で第八回公演「空騒ぎ」[Much Ado About Nothing!]の本番舞台写真と稽古場写真が更新されました。本番をご覧頂いた方にはあの日のリバイバル、そうでない皆様にも少しでも臨場感が伝わりますように。稽古場などのオフショットも多数公開しています。◆本番舞台写真はこちら ◆稽古場写真&オフショットはこちら