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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

「助ける」に寄せて

今回の公演のタイトルは「助ける」です。

 舞台上には、女医と、かつて彼女の診療所に訪れ「あなたの患者だ」と進言する男が現れます。


 誰かが誰かを助けるというのは・どういうことなのか、と言う事を、私は近頃・ずっと考えています。今まで沢山の人に助けられて、ここまできました。けれど今まで私は、誰かを助けてきた事があっただろうか。無力な自分の手を、じっと見つめて、私達の手が今此処にあるということ、それについてだけただ書いたモノが「助ける」です。

 
 私は、今回の作品を自分の中ではあえて「この物語は」という表現をしないようにしています。
 今回は、多分、些細な違いですが、きっと物語ではありません。目を閉じればいつでも私達の側にあり、耳を澄ませればいつでも聞こえるような音程です。それを私は「ノック」と呼んでいます。

 日常を過ごしているときに、こつ・こつと私達の窓を叩く者がいます。それを何と呼んでいるかは、わたしたちひとりひとりが異なっている事でしょう。
 劇場に足を運んでいただいた皆様にとって、それが何に見えるか、「助ける」は獣の仕業からの「尋ね」のようなものです。


 さて、本日が「まめ芝。」イベント自体の初回でした。我々の出演する劇場「ワンススタジオ」は明日が初日となり、獣も明日開幕です。「私達の表現」ではなく、「私達と客席の皆様の表現」を作りに参ります。


 いつもより静かで・曖昧でいて・おそれのある作品となった「助ける」
 ぜひ劇場に会いに来て下さい。心より、お待ちしております。


 ここからは最終稽古の写真をアップしていきます。内容に触れたくない方は終演後にご覧下さい。











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