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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

【盗聴本番直前連載】出演者紹介その6:中野皓作


ようこそ、獣の仕業へ。

 立夏です。
 さて、獣の仕業「盗聴」[The Play]上演まであと2日です。うーん…逆に実感が湧かなくなってきましたね。

 先日から「本番直前連載」と銘打って出演者紹介をはじめました。上演初日前日までに全員紹介しきる所存です。五十音で紹介しついに今回が連載最終回です。まずはバックナンバーのご紹介。

 まずはバックナンバーの紹介です。 それでは最後のエントリーはもちろんこの方。獣の仕業客演最後の砦(と今勝手に名付けました)、屋号が人体色彩画廊I'NN、東横INNじゃないほうの中野さんです。声出していきましょう。



 彼は獣の仕業初客演です。獣界隈のSNSや私個人のBlogに頻繁に登場するので「今更初客演なの?」と思う方もいるかもしれません。
 
 中野さんと私たちの出会いは今から三年以上前、手塚優希が客演したとある舞台で彼と共演したことに遡ります。その頃はつまり手塚以外は彼のことを知らない状態でした。
 しかし手塚さんのおしゃべり能力の低さを証明するダメスキルのひとつ「その場の誰も知らない人の話をずっとする」が頻繁に獣の稽古場で炸裂、獣メンバーはご本人に会っていないにも関わらず彼の名前だけ知っているという無意味な状態が数ヶ月続いたのです。
 主にそのスキルの煽りを食っていたのが私で、あまりに苛立ったあるとき私は手塚に「頼むからもうその誰かわからない中野って人の話は二度としないでくれ」と注意したことがあります。あの頃の私は今より数倍器が小さかったのです。
 
 とはいえ、そこで繋がった縁から獣の団員たちは散発的に彼と直接出会う機会を得ます。そこで「わあなんか中野さんの芝居はいいなあ」という空気がメンバーそれぞれに充満しました。



そこからの獣たちはまあゲンキンなもので、
 
りっか「中野さん、獣出てくださいよ」
なかの「私客演はもうしないことにしてて」
りっか「えー」

こばやし「中野さん、獣の団員になってくださいよ」
なかの「私主宰だよ」
こばやし「ええーまじかよー」

 彼が出演したいと言ってくれたのが獣の前回公演「瓦礫のソフィー」を見た直後です。
 
なかの「私、獣出たいのだけど」
けもの「えっ」
なかの「獣に出れるように自主稽古を始めます」
けもの「ええっ」



 そういって、彼は何故か三点倒立をはじめました。



 獣の仕業には舞台表現として前転と後転と側転はありますが三点倒立はありません。なにが彼を突き動かすのでしょう。困惑。しかしそれを止めることは誰にもできませんでした。


 
 ありがたい。それがなによりでした。
 
 三点倒立は今ではライフワークになったようで、稽古場でもたまにやっています。本当に自由と愛嬌の化身だと思います。


 
 そうなのです。自由と愛嬌の化身です。自由と愛嬌を鍋で五時間煮詰めたような男です。
 一緒に稽古をする前までの印象は「しっかりとした考えをもった大人のお兄さん。そして背が高い」という感じだったのですが数ヶ月一緒に稽古をしていると「自由と愛嬌の化身男子」が正体だと確信しています。


 
 特に小林田澤とはしゃいでる姿は一年前からは想像もつかず「どうした中野」という気持ちで女性陣は彼を見つめていますが男性陣は楽しそうです。ほんと、男子の気持ちって全然分かりません。


 
 長い割に全然俳優紹介になっていないので最後に褒めておきます。
 
 俳優中野皓作のファンは星の数ほどいると思います。「中野さんの俳優としての魅力はなんでしょう」とそれぞれの方に伺えばひとりひとりが違ったお答えをされるでしょう。
 
 それは百も承知の上で、私の主観で断言します。

「これまでで一番、私が面白いと思う中野皓作です」

 根底の孤独感とかそこから来る繋がりへの切実な欲求とか矛盾が矛盾しない混迷した感受性とか喉に砂が詰まったような声とかあるいはそれ以外の──・・・

 この辺にしておきます。続きは劇場で体感してください。どうぞ。

※ 本エントリーは少々事実を脚色しているところがあるかもしれません。かなり昔のことなので、はい。




 まだまだご予約受け付けております。
 回によっては残り僅かですのでご観劇予定がおきまりの方は、ご予約フォームからご希望の回のご予約をオススメいたします!

残席状況(1月12日 0:00現在)

1/14土
15:00…△ --> 特に残席僅少です。お早めに!
19:00…○
1/15日
14:00…△
18:00…○
○…残席あり/△…残り僅かです
※全ステージ増席いたしました。皆様のご予約心よりお待ちしております。


獣の仕業 第十一回公演

盗聴 [The Play]

日程:
2017年1月14日(土)15日(日)

開演時間:
14日(土)15:00/19:00
15日(日)14:00/18:00
会場:吉祥寺櫂スタジオ
料金:2,000円(前売・当日同料金)
リピーター割引:1,000円(半券持参・要予約)
※ リピーター割引は本公演の半券のみご利用いただけます。
※ 上演時間:80~85分予定

チケットご予約Webフォーム

作・演出:立夏
出演:手塚優希 小林龍二 きえる 雑賀玲衣 田澤遵 中野皓作(人体色彩画廊I'NN)
照明:伊藤将士
音響:阿部健司(MUGEN☆PROJECT)
カトリエという名の女がいる。カトリエは固定局用無線機のある家に住み、アマチュア無線を趣味としている。香炉という男が彼女の「犬」として契約し同居している。彼は心臓に病気があり一日一回薬を飲まなければ生きていけない。カトリエの家の近くには永遠という名の女が暮らしている。カトリエとは高校のときからの幼なじみだ。彼女はカトリエの言うことなら何でも聞く。「詩子のこと」があるからだ。さて、今日もカトリエの無線がとある電波を傍受した。それは彼女が最も愛する夕日という名の男、彼の電話の音声だ。カトリエは耳を澄ましている。笑っている。しあわせなのか。私には分からない。そして私の隣には女性がいる。名前は「詩子」── 彼女には「悪意」があった。
第十一回公演は獣の仕業の新境地。
くせ者6人が繰り広げる苛烈で過激で純粋な「悪意」にまつわる群像劇。
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