忍者ブログ

獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


せかいでいちばんきれいなものに

すでに日が回ったので、獣の仕業第五回公演「せかいでいちばんきれいなものに」、
いよいよ本日、上演となる。

今日リハーサルがあり、
そうか、と思いながら、舞台上を見つめていた。

答えを探そうと思って書き始めた。
そして、答えが何も見つからないまま、明るい場所のまま、寒がりながら、書き終えた。
その後、役者たちがそこに人間を乗せた。稽古場はいつも熱に満ちていた。

その矛盾した温度をありのまま固めたのが、寺田氏の照明と、阿部氏の音響であって、

最後に、今年閉館になる神楽坂ディプラッツが、
その世界を、明日のあの場所に広げてくれる。

答えは、ひとりひとりの中になら、確かなものがある。

役者ひとり、観客ひとり、みんながひとりきりで、きっと明日神楽坂にいる。
たぶん、けれど、でも、それでも、だから。色々な考えが過ぎって、消えていく。

上演時間よりも長い時が立ち現れれば、言葉よりも、体よりももっと、それを抱いた、すべてが立ち現れれば。

指を交互に組んで、息を吹き込んでみる。
おりてくればいい。
PR

第二章?

こんにちは。大変ご無沙汰しております。小林です。

先週、出演していた楽園王+劇団ING進行形「新・芸術とは・・・?」の公演が無事に終幕しました。私は、INGさんと共に板に立ちました。その中で、身体や発話を磨き、また一歩、役者としての表現を学べたと思います。

昔、劇団の立ち上げ当初は、身体などに意識はなく、ただやっていた、そのように思います。

その後、本公演を通しながら、インハイスに出て、シアターファクトリーWSに参加してテラ・アーツ・ファクトリーの林さんと出会い、利賀に行き鈴木忠志を観て、またこの度劇団ING進行形さんに出演させて頂き、楽園王さんの芝居にも触れ、今では完全に、身体・発話大好き人間になっています。

そこで、次回の獣は、なんとなく第二章に突入するんじゃないかと思っています。第三回公演「雷魚、青街灯、暗闇坂、あるいは失われたものたち」で、劇団の芝居の方向性が見え、そしてそれを取り入れた上での第四回公演「飛龍伝」、数は少ないですが、立ち上げてから早三年が過ぎ、代表の立夏や団員ら、自分も含めて多くを経験し、今に至っていると思います。そんな中での次回公演、第二章の始まりになる予感がしております。

劇場にいつも足をお運び下さる皆様、また公演のご関係者様方々、今後も、獣の仕業を宜しくお願い致します。

2011年、ありがとうございました。2012年も、どうぞ宜しくお願い致します。


小林龍二

今年の獣の総仕上げ

今年の獣の活動がすべて終了した。

・11月19・20日D.C.Inhighs 8thPlay「灰」。小林龍二と立夏
・12月8~11日 藤長由佳と小林龍二が楽園王+ING進行形「修禅寺物語」
・同じく12月8~11日には手塚優希が劇団after6第五回公演「ゴーストライター~魍魎作家と優しい読者達~」
 ご来場いただいた皆様、まことにありがとうございます。

今年も残すところ何週間か・となり、毎年思う、あっという間の一年だった。
2008年からの結成でこれまで、四本の本公演を打ってきたけれど、正直なところ、いまのような芝居を出来ていることに対して、心から感謝の気持ちしかありません。
今まで、支えてくださり、本当にありがとうございます。
これからも誠実をモットーに。そしてもっと、届くように、と思っています。

初めて獣の仕業の芝居をやろうと言ったとき、自分は社会人になって1年目だったけれど、
当時の軽率さも含めて、あのとき結成に踏み切った過去の自分へも、今となってはありがたいと思っている。

今結成しろ、と言われて、果たして「はい」と即答できただろうか。
当時の自分は言っていた。「今年出来なければ、これから先、一生出来ない」
あの言葉は今でも、そこそこ真理ではなかろうか。

今週は、客演先の団員を客席で見ることとなった。
昔は自分の手の中から離れた団員を見るのは、嬉しいのが一番で、同時に歯がゆい気持ちも多かった。
けれど、今回はみんなとても頼もしく、心強かったように感じている。

次はわたしの番か、と、身が引き締まる思いだ。

立夏

学生演劇に就いて

今日、演劇を見てきました。

電気プロデュース×てんま=でんま「おお、あなたの神!」
演出 電気/作 テンマユスユキ/於:サブテレニアン

前回の「飛龍伝」に出演した里中志遠が工藤名義で客演している舞台です。
久しぶりに、背筋のよい学生演劇を見たな・と思ったのでした。
残念ながら公式サイトのようなものが見つからず、どのような団体か予習できずに客席に着いたのですが、幕が開けての男優の一声目の発話の感じでもって学生演劇だと言うことはすぐに分かりました。

学生演劇であれば学生演劇として見てみようというのが個人的な見方であります。

夏の終わり頃にも某大学演劇部の作品を拝見しましたが、なんでしょう、
「学生演劇」こと「大学演劇」というのは、自分が社会人になってようやっと気がつきましたが、独特の・かつ共通のムードを、纏っているようです。

それは完成度云々というよりも、自意識の高さとか、緊張感の欠落であるとか、そういったもののようです。
わたしが学生の時に制作していた作品も、そういったものだったように思います。
説明の足りない、でもどこが気づいてもらいたがるようなそぶりをする、作品でありました。

わたしは学生を辞めて、自意識を体の中に・入れ込むことが必要になりました。
また単純に責任のあるタスクの存在から、自意識にかまけている時間や余暇も減っていったのです。
そして何より、どんなに思っていても、人間はわかり合えないとか、
どんなに言葉を尽くしても通じ合えないこともある、そんな人や世界もある・それを知り、
そしていつか、その葛藤自体がいとおしくなるようになりました。

そんな頃です。自分たちの作る芝居の姿がはっきりと変わったのは。


里中さんと初めてコンタクトをとったときには、かれはまだ高校生でした。
かれは、自分の周りの友人たちは演劇に対する意識が低いのではないか、もっと真剣に取り組むべきなのではないか・と、おおよそそのようなことを、わたしに言ったことがあります。

わたしは大学生の頃、学生演劇が嫌いでありました。

自分の周りのひとたちは、ただみんなで楽しくできればいいだけで、
演劇を本当に好きな人なんていないのだ・と思っておりました。

でも、とわたしは彼に言いました。「それでいいのではないか」と。

わたしは今、学生演劇が好きです。

下手でも、仮に自己満足でも、友達と一緒にいたいだけでもよくて。
演劇のこと全然好きじゃなくても、まあなんとかぎりぎりよくて。
学生演劇の舞台に散る、一生懸命さや、友達と一緒にいることが楽しくてしょうがないその揮発性の高い香りを嗅ぎに、自分は学生演劇の舞台に足を運んでいるのです。


今日の里中さんは大変楽しそうでした。とても楽しそうにやっておりました。
楽しそうな役をもらったね、と思いました。それがすべてです。
千秋楽までおなかいっぱい食べて、よく寝て、大きい声を出していってくれれば最高です。

作品全体のことを言うならば、普段言えないことを作品にはぶちまけました・と言うようなところが少なく、個人的には好感を持ちました。
むしろ作家性も演出性も薄かった。それがいいかわるいかは、個人の嗜好だと思います。


明日まで、東武東上線「大山」のサブテレニアンにて、上演されているとのこと。
よく蒸発する香水みたいな、甘ったるいにおいでありました。

立夏

Inhighs公演の追加情報

D.C.Inhighs「灰」 
11/19(土)(16:00/19:00※)
11/20(日)(13:00※/16:00/19:00)
¥2,000

※の付いているステージでは、
本編上演後に朗読を行うのですが、こちらの朗読に、
獣の仕業の藤長由佳が出演する事となりました。

於:吉祥寺櫂スタジオ 
作・演出:左観哉子 出演:立夏、小林龍二、左観哉子
藤長由佳(朗読のみ)
※の回は上演後朗読(出演者のテキストを元に左が構成・演出)
本編約60分
朗読約30分
※本編と朗読の間には10分ほど休憩があり、
本編のみの観劇も可能です。

今回の公演では、左が作演出の本編「灰」のほか、出演者全員のテキストから構成された朗読があります。前回公演から約半年の間、私たちがそれぞれ身体にやどした言葉たちを表現します。