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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

舞台芸術創造期間SAI③

こんにちは。小林です。

東京に限らず全国的に凄い雪でしたね。そんな昨日。私は冬眠する熊が如く、部屋にてぬくぬく過ごしておりました。なんという幸せ、外を見ますると、風、雪、その音。「くわばらくわばら」と、ぬくぬくします。嗚呼。温かさよ、どうか私を離さないでと願うのです。
風が吹いて、雪が風に流される音を始めて聞いたように思います。ふわーんって言うんですね。雪が風に乗ると。いえいえ、そんな甘いものではありませんでしたね。なにが、ふわーん、ゆるふわーんでしょう。しかしそう聞こえたのですから、どうぞご容赦くださいまし。

そして本日になると晴れ渡り、気温も上がりびしょびしょの道、道、道でした。雪かきをザクザクやり、雪を掻いたところに子ども達が無垢な笑顔でまた雪を載せていく。嗚呼。このあらたかな感情よ、どうか費えませぬよう。転ぶなよと思いながら見送ったものです。雪のせる未来たちを。

さてさて、他団体紹介を初めてこの場で行っております。
その第一弾「舞台芸術創造機関SAI」です。果たして、この紹介企画が今後も続くかは、いと不明です。私自身、自分が明日どこでナニをしているのか定かではありません。ただ、足元を滑らせないよう祈るのみです。それでは、アマゾンで買いましたDJ OKAWARIを聴きながら更新してまいります。SAIに合わない曲調です。困ります。
しかし、そのような些細なことはこちらに置いておいて始めたいと思います。


さて、今回の出演に至った経緯は、獣の仕業忘年会2013がきっかけです。
獣の仕業では、2012年の年末から、それまでお世話になったスタッフの皆様や役者の皆さんを呼んで「獣が無事に年を越します!おかげさまです!ありがとうございます!」として忘年会をやるのです。お世話になったスタッフの皆様と言っても、基本的には音響の阿部さんに照明の寺田さん、受付を特に担当して下さっている菊地さんに寺村さんは不動の背番号10番です。
ちなみに、この会には私の特製冊子が特典として付いてきます。出席される皆様の主観的な紹介を掲載するとともに、今回は我らが愛するマスコット獣chanのマンガを取り入れました。ちょっと骨を折る作業ですが、今年については頼まれてもいないのに作成し、好評をいただくのです。「やばい小林ワールド全開!」と。ワールドの住人なので、どこがそんなに楽しいのか分からないときもありますが、みんなが喜んでくれるので僕も嬉しいです、と、小学生の作文のような言葉を書いてみました。この冊子の一部は、いつかこの場で公開したいと思っています。まあ、マンガの部分ですが・・・笑

話がそれてしまいましたが、その忘年会に「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌(再演)」に出演した、獣への客演一等賞受賞者・水川さんが開口一番、私に「龍二さんSAI出ないんですか!?」と言ってくれたのです。「アンテナ張ってなかった!」と小林。水川氏は小林をあの手この手で落としていったのです。場所は歌舞伎町でした。やはー!というわけで小林はコロっと落ちたのです。(…歌舞伎町で飲んでいたことは真実ですが、何もやましいことはありませんでした。やましいことがあったらいいななどと考えたことも一切ありません。…すいません鼻が伸びてきました)

そして、その忘年会の後に倉垣さんへ「ゾンビ足りてます?」というメールを送りました。今回はゾンビを公募しているようです。集まれゾンビのハローワーク!そして、「ということは!?」という返信をもらい、年末の昼、ゾンビ就活のため、渋谷のバーにて二人でカレーやタコスを食べてお話をして、出演を決めたのでした。芝居の話などをしながらも、あの場の二人は「ここの店は安くてうまい。コスパがいい」という共通認識を得たのです。ゾンビは仕事を得たのです。南無三。

かくして、まめ芝その陸。「車曳~葬~」に向けて1月の14日から小林は合流したのです。
物凄い歓迎ぶりでした。黄色い歓声が沸き上がり、この世界は自分のものであると錯覚したほどです。アホ極まれりです。その場にはもちろんの水川氏、口マグロ以来の中村弥生さん、そして舞台芸術創造機関SAI所属・伝説の「遠足」で知り合った蓮田蓮氏と口マグロで最初に出会った市川五月氏、さらに劇団EgHOST主宰の西荻小虎というアクロバッター俳優。そして初めてお会いした皆さん。今まで自分が演ったり観たりして出会って来た方々と新しく出会う方々とで、やけに高揚したのを覚えています。

かくして自分に残された稽古場での稽古時間は8時間もなかったような中で、今回は明確な台詞はなくコロス(アンサンブル)としての出演でした。役はゾンビでした。周りはアクロバッターもバレエ巧者がいる中で、自分の動きはどう構成するのか、ただ気持ち悪い動きはできてもゾンビについて考えなくてはなりません。ゾンビはどういうわけか死者であるのに、筋肉がある、しかし明確な細部に筋肉の使い方というよりも瞬発性が特徴だと考えたわけです。素早い動き、というよりも意にも止めない状態で飛び出すような進行力がゾンビっぽいのではないかと。そして、その動きに何か色を与える際に、ING進行形で学んだアイソレーションや、まんま「ゾンビ」という動きをモチーフにしたり、そして獣で培った重心や指の心裡、子音を立てる発声から生まれる息のコントロールによる呻き声など活用したように思います。
すいません、「今思うと」という部分が多くありますが、そんな風に培ってきたものを出していったように思います。ちなみに、ご存知かとは思いますが、獣の仕業も番外公演としてまめ芝その伍。に参加しましたが、その「助ける」の中で小林がゾンビっぽくなったといううわさを聞きましたが、まさか同じイベント・同じ劇場(One's Studio)で意図したゾンビをやるとは思わなかったですね。奇縁、ですね。

ちょうど先週の土日に公演を行いました。
もうここまで来ましたら細かい話はアレですが、届くところによると好評をいただいたようで満足至極です。ありがとうございました。


さて、なんだか個人的な感想文になっていますが、自分はSAIに出る理由は、今回気づいたのですが、「楽しそう」という原初的な理由で出ています。ただ、実際に楽しむだけではもったいなく、役、のそうですが自分がつくるもので共鳴させて、それがかたちになったり、逆にかたちにしてもらったりなどが楽しい…のでしょうか。そして別の場所にいっても、こうして獣の仕業という帰るべき場所に「ただいま」と戻れることは個人的にも凄く幸せなんだと思っています。役者のあり方は様々です。所属しても所属をしていなくても、強くなくてはならないんだろうなと思っています。自分が強いかは分かりません。ただ、獣の仕業の小林として出るのですから、泥を塗らないように、しっかりしようと、獣を好いてくださっている方々、メンバーにとっても誠実なまま板の上に立ちたいと、こうして戻って、くだらないことを綴ったりもしていきたいと思うのです。早く獣の活動を始めたい、と思えるのは、こうした客演した機会も影響していることと思います。ただ、そうして思わせてくれる団体、小林の感性のようなものをチクッと刺激される団体さんにはまた出たいものです。


(真ん中の踏ん反り返っているのが倉垣氏)
(小林は右下。ゾンビたちの集団です。困ったもんです)

ちなみにこちらに小林が紹介されております。
やったね、全国ネットです!もしよろしければご覧下さい。
http://ameblo.jp/sai-kuragaki/entry-11765005634.html
「倉垣ノ記」

最後は雪の話も含めて、長文になってしまいましたね。
それでは、舞台芸術創造機関SAIの紹介はこんなところにさせていただきます。


次はどのようなことを更新するのでしょうか。
このテンションのまましばらくは真面目なことを書いていければ小林の株が上がると思いますので、頑張ってまいります。

それでは、長々とありがとうございました。



ただいま、です。

小林




最後の最後に、小林のゾンビ設定(自作)です。
※ある特定の場所・時間においては実在していたかも知れません

名前:真屋兼人
出身地:宮城県名取市
血液型:O型
最後の職業:無職
性格:小心者。夢見がち。マイペース。人生なめてる。プライド高い。楽しいことが好き。どこか快楽主義者?いぬが好き。
死因:頭部打撲。
最期:宮城から故郷に錦を飾る、というより、かつての地元では引っ込み思案で高校のクラスでも浮いていて、彼らを見返すために東京の某文系大学に進学するも、生来のマイペースさから就活に失敗し、台東区のボロアパートで暮らしていた。夏暑く冬寒い部屋。家の窓からは荒川なんか見えて、西日が畳をオレンジに染める光が、あまりにも貧乏臭くていやだった。友人の渡辺大介の実家が玉子屋をやっていて、そこで日暮しアルバイトをしてなんとか生きていたものの、ある日、魔が差して店の玉子を勝手に家に持ち帰ったことがバレた年末、あえなくクビに。まずいことをしたなあ、と思いつつ、郷里に帰るかなどと考えてみるも、まだこの街には夢も希望もあるだろうと信じ、じゃがいもをふかした。しかし、考えながらふかしたため芽を取るのを忘れ、バターを塗ってパクパク。「うっ!」体が痺れた、まずい!と、のそのそ這って一階のピンク電話に向かったが、そこで階段落ち。ガンガンガン。お亡くなりに…。やがて、大家の旦那が来るも、真屋の死を確認すると、アパートの人気が落ちてしまうと思い、庭に土葬。合掌。享年28歳。大家は死体遺棄容疑で逮捕。実刑判決が言い渡されるも、これを不服として過日控訴をした。しかし棄却されて実刑確定。当アパートは取り壊された。解体作業中、庭に縦長の穴が見つかる。中には幸運の証と呼ばれている兎の尻尾が「ひとつ」。赤し。


真屋くん、おつかれ。
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