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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

「象」上演直前!出演者紹介その2: 立夏



 立夏です。
 いよいよThe Out of Beast 2018「象」の上演が来週末(9月7日~9日)にせまってまいりました。
 本番直前なので、俳優紹介をしていきたいと思います。


 
 次は…わたくし立夏です。
 
 なんだが自分のことを書くのは非常に照れくさいのですが、せっかくなんでちょっとばかり書いてみましょうかね……。
 
 わたくし、巷では今回の「象」で「獣初出演」とされておりますが、実は一度これより前に獣の舞台には立ったことがあります。
 第二回公演「女は鎖、男は愛を潰す」です。
 第一回公演~第三回公演については、見た方がほとんどいないので、この事実を知っている方はほとんどいないのではないかなと思います。実はこの公演、小林龍二作演出、立夏は出演のみ、という体制でございました。なつかしいですね。
 
 その第二回公演が今から九年前のことになりますので、今回の出演については「約九年振りの出演」であります。そのフレーズだけ聞くとまるで活動休止していた人のような言葉です。ずっとやってたんですけどね、作・演出で。


 
 そしてその第二回公演の上演が終わった直後からのことです。私たちが「獣の仕業は何をもって獣の仕業であるか」──いわゆる「団体のカラー」というものを、強く意識するようになったのは。
 
 つまり、もっとはっきりと書いてしまうと「第二回公演はその作品が良質だったかそうでなかったかに関わらず"獣の仕業の演劇"と銘打ってよかったのかどうか」「獣の仕業はどんな作品を製作する団体になりたいのか、なっていくべきか」ということを、私達は話し合ったのです。
 
 その結果、以降の公演において、獣の仕業の現在の特徴である身体性や俳優同士のシンクロを強調した作風がより強化されていくことになります。
 
 
 このときの話し合いは控えめに言って混迷を極めましたし、当時の自分の未熟さは今でも昨日のように思い出され、ほんっとうに恥ずかしさで胸がいっぱいになります。それと同時にあのとき考えたことや思いがなければ、今の獣の作風はなかったといっても過言ではないくらい濃密で掛け替えのない時間でした。


 
 あれから、九年が経ちました。
 
 私は今でも「獣の仕業の芝居の本当の姿」を探し求めています。
 
 でも九年前とは少しずつ取り組み方は変わってきていて。あのとき考え抜いた獣の仕業の作風を、上演を繰り返すごとに少しずつ外していっているのがここ二~三年の動きなのです。どこまで外しても獣が獣でいられるのかを確認するために。最後に残ったものが「獣の仕業を担保する最小要素」なのだということを知るために。
 
 さて、九年前話したことのひとつに、こんなことがあります。
「立夏は出演をせず、演出に特化することが、獣を担保する条件だと思う」
 
 今回、外す要素は、これです。
 九年越しの、再挑戦。しかも、演出と出演の兼務は演劇人生初です。いやー大変ですね。兼務の皆さんを改めて尊敬します。稽古場では手塚さんと小林さんにかなり助けてもらっています。
 
 出演はまたいつか挑戦したいと、数年前から思っていました。でも、団体と何より自分の演劇人としての経験値や自分のキャパを客観的に考えたときに、これまではGOが出せませんでした。けれど、今ならできるんじゃないか、と今年思えるようになりました。獣の芝居の履歴を十年積み重ねた今なら、獣の仕業の作風を守りながら自身が獣の俳優としても貢献できるタイミングが来たのではないか……
 
 そんな気持ちで、出演しています。
 
 獣の俳優としては初心者ですが、世界で一番獣の仕業のことを考えた時間は長い自信があるので皆さん、ぜひご覧ください。
 色々書きましたが、私は獣の仕業への出演はこれからも原則いたしませんので、ご興味もっていただけた方は、この機会をお見逃しなきようお願いいたします!
 
 ※ 自分の紹介記事なのに長くてごめんなさい。ほとんど劇団全体の話なので許してちょんまげです。


(てづかさん)
 
 
 公演は来週9/7(金)~9/9(日)です。
 以下のカルテットオンラインからご予約をお待ちしております。
「象」チケット予約フォーム
 


 

The Out of Beast 2018「象」




作:別役実(三一書房「別役実戯曲集」より)
演出:立夏
出演:手塚優希 立夏 小林龍二

 とある病院。そこには背中に被爆痕のあるひとりの病人が入院している。
 病人は日々歩く練習をしている。病人の夢は、自分の足でもう一度あの街に行くことである。自分の被爆痕を人目に晒すために。
 見舞いにやってくる病人の妻と甥も同じく被爆者であるが、彼らはそのような野心は持ち得ない。
 
 男は叔父の被爆痕を、むしろ憎んでいた。男は何もせず、ただ静かに暮らしていたかったのだ──
 
 ──敗北を強いられた人々の悲しみと孤独をさりげない手触りで描いた別役実初期代表作。

 

○日時:


2018年9月7日(金)~9月9日(日)
9/7(金) 20:00
9/8(土) 14:00/17:00/20:00
9/9(日) 14:00/17:00

○料金:


2,000円(前売・当日ともに)
リピーター割引:1,000円(半券持参・要予約)

・上演時間:65~70分
・受付開始・開場は開演30分前
・小学生未満のお子様のご入場はご遠慮ください
・開演10分前を過ぎますとキャンセル待ちのお客様を優先してご案内致しますので、お席の確保ができない場合がございます。お時間には余裕を持ってお越しください
・リピーター割引は本公演の半券のみご利用いただけます

○チケットご予約:


ご予約はWebフォームからのご予約が便利です。
メール・電話でも受けつけております。いずれのご予約方法の場合にも当日会場受付でのお支払です。

Webフォームから予約する(カルテットオンライン)


https://www.quartet-online.net/ticket/elephant
必要事項を入力の上「登録」をしてください。

電話またはメールから予約する


・09027509136
・swz★live.jp(★を@に変えてください)
お名前(フリガナ)、ご連絡先、ご予約日時、枚数をご連絡下さい。

○会場:


レンタルスペース+カフェ「兎亭」
(練馬区旭岡1-46-12エイケツビルB1)
・西武池袋線「江古田」駅より徒歩7分
・都営大江戸線「新江古田」駅より徒歩13分
※ 会場には駐車場・駐輪場はございません。公共交通機関をご利用いただくか近隣の有料駐車場・駐輪場をご利用ください
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