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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

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◆本番直前!◆ヴェニスの商人登場人物・配役紹介


「俺の役は何だい?」

 獣の仕業第九回公演「ヴェニスの商人」[Kingdom Come] いよいよ今週が本番となりました!

 そこでご予約頂いた皆様には予習として、ご予約これからの方には「どんな物語なのかな?」と言うのを知って頂く機会としてささやかながら「登場人物紹介・配役発表」をすることとしました。

 その登場人物を担う俳優を写真付きで紹介しつつ、登場人物の簡単な説明をつけさせていただきます。まずは登場人物紹介から。

※なお、配役発表とともに役の設定なども簡単に紹介しますので
 ・登場人物
 ・序盤のストーリー
 についてのネタバレ要素を含みます。物語の序盤の内容またはチラシから推察できる内容のみを記載しておりますが、一切の前情報なしでご観劇されたい方はここでUターン!推奨です。






 それでは登場人物紹介です。

 ここでまずご説明しなければならないのは今回の「ヴェニスの商人」では担当する俳優が固定していない or 一人の人間を複数で演じる登場人物が存在します。(以前このブログでも紹介した「一人二役」そして「二人/三人一役」の仕組みが採用されている作品です)。

 その為これから登場人物をひとりひとり写真で紹介していくのですが、写真には二人以上の俳優が写っている場合があります。
 その時には
「この登場人物はふたりの俳優が代わる代わる演じるんだろうな」
「全員でひとりの人間を表現するのかな?」
 などと想像して頂けたらと思います。


 それでは緒言はこの辺りにして、ご紹介します!

シャイロック/SHYLOCK

富のあるユダヤ人、ジェシカの父親
「アントニオ。貴方は私を、邪教信者だと、人殺しの犬だと呼んで、この上着へ唾を吐きかけなさった。私が私の子羊を利用した事を不埒だと言って。じゃあ今頃になって、私に用があるんだね。私は何と返事をしよう…。」

 当時のヴェニスでは他の地域に比べユダヤ人にも権利が与えられていたため、たくさんのユダヤ人がヴェニスに移住してきていました。
 しかしユダヤ人は劣った人種であるとされその権利には一定の制限がありました。代表的なものとしては隔離区(ゲットー)への居住をすることや、不動産などの固定資産を持つことが禁止されていることなどです。その為、当時は生計を立てるために金貸し(今で言う金融業です)をしているユダヤ人が数多く存在しました。
 金融業というと今で言えばエリート・憧れの職業・そんなイメージですが、当時は「人に金を貸し付けて余分に返して貰う狡猾な仕事」と認識され、まして世の中に貢献する仕事とは思われていませんでした。
 シャイロックは利息で富を得てたくさんの財産を持っていますが、一方でイタリア人のアントニオには高利貸しと罵られています。


アントニオ/ANTONIO

ヴェニスで貿易商を営む商人
「いいですかバッサニオ…。私が貴方の為に全力を尽くすのをお疑いになさるのは、ありたけの私の財産を浪費なさるよりも私に対する侮辱です。ですからただどうすればいいかをいいなさい。」

 原作の「ヴェニスの商人/The Merchant of Venice」はこのアントニオのことです。
 商人/Merchant はお店を営む人ではなく船で商品を運んで輸入/輸出をする「貿易商」のことを指しています。彼はこの仕事で多くの富を築き上げました。
 また、その富のため金銭の上で頼られることが多く、友人や頼まれた人に金を貸すことが多いようです。その時無利子で貸すことを信条としているためシャイロックの商売の邪魔になっています。彼もまた多くのヴェニス市民と同じようにユダヤ人を劣った人種と考えていて、高利で金を貸し付けるシャイロックには特に、特別の思いがあるようです。
 そんな彼が親友のバッサニオのために、「自分の肉」を抵当に入れてシャイロックに金を借りに行く── これがこの物語の始まりを告げます。


バッサニオ/BASSANIO

アントニオの友人、ポーシャの求婚者
「もし私に財産があって、他の手合いと同等に競争できるなら成功は、大丈夫だと、この心が確信しているのです」

 先に述べたアントニオの親友であるバッサニオは、ある女性に恋をしました。ベルモントの屋敷に住む女主人ポーシャです。彼は以前金の遣いが激しいために財産をなくしてしまいました。そのためアントニオにも度々少額の金を借りているようです。
 そこで彼は言います。「けれど貴方の親切を信ずるからして、敢えて何もかも、…負債を消す為の計画を何もかも打ち明けるんです」と。
 ポーシャに求婚するための支度金を、バッサニオはアントニオにねだります。しかしアントニオは貿易商、財産である積荷はちょうど海の上にありました。アントニオに金を貸しそうな男を訪ねてみろと助言され、バッサニオはシャイロックの家の扉を叩くのでした…。


ポーシャ/PORTIA

富のある若き女主人
「『選ぶ』ということば。 ねえ、ネリッサ。私は恋人を一人も選ぶこともできない…。そして一人も、拒むこともできない?」

 バッサニオが求婚しようとする姫君ポーシャは、父親が亡くなったため若くして屋敷の女主人となりました。莫大な資産のためかその美しさのためか、沢山の男が連日彼女の屋敷にやってきては求婚を迫ります。
 父親は亡くなる前に遺言を残しました。「私が死んだら三つの箱を用意する。そこの箱の中に、金の箱にはがらんの髑髏を、銀の箱には盲目の道化を、そして最後の鉛の箱に可愛いお前の肖像を忍ばせておく。お前の肖像を選んだものと結婚しなさい。」
 ポーシャは思います。今私に手を伸ばす殿方達は何に恋をしているのだろうか? 私の財産なのか、私の美貌なのか、それとも? ポーシャは選択することについて考えます。


ランスロット/LAUNCELOT GOBBO

シャイロックに使える召使い
「シャイロックの旦那、俺はもう、ユダヤの召使いはごめんです!」

 ユダヤ人の一家シャイロック、ジェシカの家で召使いとして働いているランスロット。
 以前は上手く行っていて特にジェシカとはまるで友達同士のような関係を築いていたのですが、シャイロックと言い争いになったことから家を出て行ってしまいます。「きっと俺の心は、ランスロット・ゴッホーの心は、俺にかれこれ言いやしないだろう。俺がシャイロックの旦那を見捨てたって…」彼は自分にそう言い聞かせ、バッサニオの所の召使いなる約束をバッサニオと取り付けます。
 その後も、シャイロックの家に行ってバッサニオの夕食に招待しに行ったり、ジェシカの手紙をロレンゾに届けたりと、ジェシカの駆け落ちを手引きするために奔走します。
 彼はシャイロックの家の関係を破壊したいのでしょうか? そこにはまた違った意味があるようです。
 

ネリッサ/NERISSA

ポーシャの侍女
「ハァ、ポーシャお嬢様のお父様は生前、大変立派な方でいらっしゃいました…」

 ポーシャの屋敷に仕える侍女ネリッサ。高齢の女性です。獣の仕業版では一瞬だけ登場します。お見逃しなく!


公爵/DUKE OF VENICE

法廷の裁判長を務めるヴェニスの公爵
「シャイロック、これでよろしいか。どうだ!」

 当時何か諍いが起きて法廷の場で解決をしようとした際に、裁判長の役割としてその街で一番権威のある人物が判決を下すということがあったようです。
 シャイロックの法廷に立つ公爵は、シャイロックに命令を下します。「では閉廷だ、シャイロック、命令を聞きなさい」と。
 シャイロックはそれに対して控訴します。「聞いて下さい、皆さんどうか目を逸らさないで。教えてください、私は誰です!」
 この物語はシャイロックの「控訴」です。一度敗北した男が、もう一度あなたたちに問い合わせます。

ロレンゾ/LORENZO

ジェシカの恋人
「気をつけろジェシカ、夜の森には悪魔が隠れている。暗闇から悪魔は真実を手下に使うんだ、僅かの誠で引き込んで、深刻な結果で裏切るために!」

 その控訴裁判にロレンゾは証人喚問されませんでした。
 ロレンゾの証言の場では、登場人物の中の誰かが代理証言としてロレンゾの言葉を語ります。こちらは劇場でのお楽しみで・・・。



ジェシカ/JESSICA

シャイロックの娘、ロレンゾの恋人
「キリスト教徒の男ロレンゾが、シャイロックの娘ジェシカと恋に落ちて月夜に駆け落ちをする、私の反対弁論。1ポンドの約束も三つの箱も私は知らない、わたしは・あなたに・あいたい・ロレンゾ、」

 控訴したシャイロックに対して、反対弁論をする女。彼女はシャイロックの実の娘です。ユダヤ人であるがゆえに父親と同じ制限を受け、高利貸しの娘と罵られるジェシカ。
 彼女はキリスト教徒の男ロレンゾと恋仲になりました。
 そしてある時、決心します。「あの人とは血が繋がっている。でも、私とあの人の行いは親子じゃない」ランスロットに協力を仰ぎ、彼女は月夜の夜にロレンゾと駆け落ちをする計画を立てたジェシカ。
 そしてキリスト教徒に改宗し、夫と夫の神様に仕え、本当の自分に戻る、そう決めたのです。


 月明かりが差してきました。約束の時間。
 彼女は宝石箱を持って、煉瓦で封じられた窓を開け放ちます。



 最後までお読み下さりありがとうございました。

 最後に今回登板する俳優の顔と名前の紹介をさせてください。
 なるべく「いつも通り」「素の感じで」とお願いしているので先程の登場人物紹介の時の表情のギャップもオススメです。みんなゆるゆるです。

▲小林龍二


藤長由佳


きえる


雑賀玲衣


凛子


獣の仕業第九回公演

「ヴェニスの商人」[Kingdom Come]
チケット予約受付中!! 当日券もあります。

会場:pit北/区域(最寄り駅:JR京浜東北線、東京メトロ南北線「王子」駅)
◆公演特設ページはこちら◆

2014年11月
1日(土)14:00/19:00
2日(日)14:00/19:00
3日(祝)13:00/18:00

※ 11月3日のみ各開演時間が一時間早いのでご注意下さい。
※ 上演時間は80~85分を予定しております。

携帯からの予約はこちらをクリック!


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