忍者ブログ

獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

ヴェニスの商人本番直前短期集中連載◆出演俳優インタビューその3:藤長由佳


「今回あまりやったことのない役どころに挑戦しています」


 立夏です。
 「ヴェニスの商人出演俳優インタビュー」第三弾は 藤長由佳。
 普段は言葉少なな彼女ですが、芝居と向き合うとき、それから普段の生活の中で一体どんなことを考えているのでしょうか? 第一弾第二弾とは打って変わって、二人きりの時に色々と聞いてみました。
 ぽつぽつと語る彼女の一言一言の中に、控えめで優しいのに心が強い、そんな人となりがにじみ出るようなインタビューになりました。

# あまり控えめではない第一弾と第二弾も併せてお読み下さい
第一弾:小林龍二
第二弾:きえる



◆ 稽古場での「感触」を大事にしたい。

インタビュアー立夏(以下省略):
─ 舞台の意気込みを教えて下さい。

藤長由佳(以下:藤長) 意気込みですか、そうですねえ、なんていうかなあ… 今迄あんまりやったことないところに挑戦しているので、そこをどう乗り越えていくか、というところで、目標にしたいと思います。

─ 今迄やったことないところと言うのは、今迄やったことない「役どころ」? ということですか?

藤長 うん。

─ なるほど。じゃあ由佳さんが、役作りをする上でルールみたいなモノとか、「こういう決まった手順でやっていく」ようなことって、あったりしますか?

藤長 うーん、役作りをする上でそうですね、割と文字情報から入ってしまうことが多いので、でも最近はそれじゃあいかんなと思って。…頭でっかちになってしまうので、なるべく壊すように壊すようにとはしています。

─ 「壊す」っていうのはその、(役作りで重要視するモノを)文字情報だけに頼らないようにしよう、と言う事かな?

藤長 そうですね。

─ 文字以外だとどんなものを頼りにしていくことになるんだろう?

藤長 まあ、なんだろう。周りの役者さんと作っていく上での「感触」ですかね。

─ 稽古場で気付いたことや、作ったモノを頼りにしていくと言うことかな。それでは、今回の一緒にやっている仲間の人達の個人的な「感触」ってどうですか?

藤長 小林さんや雑賀さん…一緒にずっとやってきている…

─ 常連さん?

藤長 常連さん(笑)。団員だからね。

─ そうね、そうよね。間違えた。

藤長 で、凛子も久し振りで(※第六回公演「オセロ」以来の登板)。そういう(団員の)人達と一緒にやっていくっていうところで勿論、うーん、安心感とはまた違うんだけどやっぱり一緒に積み上げてきたモノがあるって思うんです。

◆ きえるちゃんとはまるでずっと昔から一緒にやってきているような感じ

藤長 そんな中で…きえるちゃん、今回客演で来てくれたきえるちゃん。凄い新鮮なんだけど、それなのにずっと昔から一緒にやってきたような感覚があります。でもそれは、勿論きえるさん自身が(獣の仕業に)溶け込もうって努力してきてくれている結果であるだろうし、(獣の仕業との)相性が良いって言うのもあるだろうけれども、うん、きえるちゃんとやってる時って言うのはそんな、凄く不思議な気持ちになりますね。

─ 「昔から一緒にやってきてるみたい」って表現は凄く腑に落ちたかも。

藤長 そうなんですよ。

─ 彼女には作品作りの面では凄くリラックスさせて貰っているような面もある。分からないことはすぐ聞いてくれるし、だからこそ分かって貰ってるなと言うのがこちらも分かるから。あと個人的には「きえるが見てる手前頑張らないとな」と言うのが…凄くある(笑)。私はちょっと見栄っ張りなところがあるんだけど、由佳さんはどうですか。そういうきえると一緒に芝居をやってるときに感じる独特の緊張感が私にはあるんだよねえ。

藤長 お芝居をやっていて、きえるちゃんの目をのぞき込むようなシーンがあったんですけども、その中できえるちゃんの目は凄く不思議な目をしてるんですね。真っ黒で吸い込まれそうな目をしているんですよ。一度お客様も(舞台を見に来た時に)覗いて欲しいんですけれども…、目を…。本当に宇宙が見えますよ。

─ 宇宙!

藤長 その宇宙に立ち向かうではないけど、相対する(私の)宇宙を見せられたらいいな・って、思ってます。


↑ タイトルは「私の宇宙」かも?

◆ 川沿いや道路沿いをずうっとまっすぐ歩くのが好き

─ ところで最近のマイブームは?

藤長 ブーム?

─ 芝居以外で。あ、いや、芝居がブームっておかしいね(笑)。

藤長 うーん、歩くことですかね。でもこれはブームと言うよりはずっと趣味なんですが。

─ 趣味が「歩く」? 生粋の方向音痴で知られる藤長さんが…

藤長 ふふふふふ。あら猫だ。可愛い。(インタビュー中に道ばたの猫に気を取られてしまう)

─ ・・・・・。



藤長 (猫を見終わってから)川沿いとか道路沿いをずううううっとまっすぐ歩くのが好きで。芝居以外のと言われたけれど、歩きながらだと台詞も覚えやすいんですよ。しかも住んでいるところが田舎なので、台詞喋っても周りに人があんまりいないから気付かれない。あ、でも、自転車が来たら、ちょっとトーンダウンして・・・。

─ 藤長さんは台詞を覚えるのが早いですよね。

藤長 そうかなあ? 今回は苦戦してます。

─ いやでも、早いよ。もしかしたらそれは散歩のお陰もあるかも知れないよね。じゃあこれを読んで下さった役者の皆さんは是非やってみて下さい、ということで…。 その際自転車が来たらトーンダウンをお願いします。

◆ 「ろうそくの炎」

─ 前回インタビューのきえるの記事の中で「藤長さんがご飯を食べながら半目になっている」と密告がありましたけれど、そちらについては何かコメントございますか。反対弁論とか。

藤長 私眠気に弱いところがあってですね…

─ あ、認めるんですね。

藤長 食べていることとか、体とか、そう言う部分は(ご飯を食べているときでも)集中しているんだけど、どうしてもまぶただけは半開きになってしまいます。

─ 藤長さんは以前「オセロ」の稽古中にビニールテープで眉毛を書かれてからというものお顔に関する事件が多いですね。いや、私がイジっているからなんだけどね。ちなみにこのブログにその時の眉毛の写真を載せたりとか…は…

藤長 いやです。

─ あああ、ごめんなさい。もしかしてずっとイヤだった?

藤長 ・・・ちょっとイヤ。

─ ごめんなさい! もうしませんから。

藤長 でもその不快感が徐々に快感になってきている。

─ !!?
 じゃあ、応援して下さるお客様に最後に一言お願いします。

藤長 ろうそくの炎が灯るように、します。

─ ろうそくっていうのは?

藤長 こころです。


「こころです!」(イヤだと仰っていたのでイメージ図にしました)



─ 藤長さん、ありがとうございました。次回のインタビューもお楽しみに。



獣の仕業第九回公演

「ヴェニスの商人」[Kingdom Come]
チケット予約受付中!!

会場:pit北/区域(最寄り駅:JR京浜東北線、東京メトロ南北線「王子」駅)
◆公演特設ページはこちら◆

2014年11月
1日(土)14:00/19:00
2日(日)14:00/19:00
3日(祝)13:00/18:00

※ 11月3日のみ各開演時間が一時間早いのでご注意下さい。
※ 上演時間は80~85分を予定しております。

携帯からの予約はこちらをクリック!


PR