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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

獣の仕業第十一回公演「盗聴」[The Play]の前に


日が回りました。いよいよ明日1/14と明後日1/15で上演です。たった4回のプレミアステージ

 今週土日上演です。第十一回目。
 かっこつけてもしょうがないので、今から「盗聴」という作品のこと、書きます。




 はじめましてあるいはお久しぶりです。獣の仕業 の立夏と申します。代表で作家で演出家です。

 今週土日に「盗聴」[The Play]という作品を吉祥寺で上演いたします。
 劇団です。演劇です。劇場です。

 ところでこれを見ている皆様は演劇、すきですか。
 私は凄く、すきです。




 質問はもうすこしあります。
 皆さんのすきなものってなんですか?
 なぜすきなのですか? どういうところがすきなのですか?
 そのすきなもののことを、嫌いになりそうなことってありますか。
 愛しているものを、愛していることの証明に傷つけてしまう間違いをしたことは、ありますか。
 そして、それを悪意だと、思ったことはありますか。




「盗聴」[The Play]は「悪意」の群像劇です。

「悪意」とはなんでしょう。私は去年そのことをずっと考えていました。そしてこの物語を書きました。
 私が「悪意」についてずっと考えていたかつて、それは「盗聴」稽古の初期のことだったのですが、こんな風に書いたことがあります。
「独立した「悪意」はないんだ」と。
「悪意は人と人との間にあるんだ」と。
 そして今は更にこうも思います。「愛することも、きっと」と。

 心は私たちひとりひとりの内側にあるんじゃない。私とあなたの、間に、あるのだ。
 それがうつくしいとしても、汚れていたとしても、それはただ、あるのだ。
 それを私は「心」と、

 そして、でも、それはもしかしたら、ああやっぱり、もしかしなくても、私たちはずっと伝わらないのかもしれない。
 私が演劇を一番愛しているのは、伝えても伝えても最後に残る一縷、「分かり合えない」というところです。演劇への誠実さが多様にある中で、それが私の誠実さです。




 そして私は、思うのだ。
 もし分かり合ってしまったら私たちは、私たちの営みは、それは、要らなくなってしまうときなのかもしれないと。分からないから、私たちはいつまでも、交わし続けられるのだと。前回「瓦礫のソフィー」も今回の「盗聴」も根っこは同じ、そういうことを。

 「わかる」「わたしも」と分かり合う危うさ。「わからない」「伝わらない」の尊さ。
 あなたがいて私がいてそれぞれの名前があり私とあなたが違う人間であなたが私を私の名で呼ぶことが、目の前で!
 それが私の、演劇の、最後の勇気だと思うのです。獣の仕業 は「そういうこと」をします。




 はっきりいってなかなか曲者で厄介な物語です。でも、私は、やっと、私の言葉で本当のことだけを書くことができたと思いました。
 全部本当で、つまり、全部嘘かもしれない。それならば、
 私は、この話を心から、

 以上です。

 ご来場心より、お待ちしております。

 回によっては残り僅かですのでご観劇予定がおきまりの方は、ご予約フォームからご希望の回のご予約をオススメいたします!

残席状況(1月13日 0:00現在)

1/14土
15:00…△ --> 特に残席僅少です。お早めに!
19:00…○
1/15日
14:00…△
18:00…○
○…残席あり/△…残り僅かです
※全ステージ増席いたしました。皆様のご予約心よりお待ちしております。


獣の仕業 第十一回公演

盗聴 [The Play]

日程:
2017年1月14日(土)15日(日)

開演時間:
14日(土)15:00/19:00
15日(日)14:00/18:00
会場:吉祥寺櫂スタジオ
料金:2,000円(前売・当日同料金)
リピーター割引:1,000円(半券持参・要予約)
※ リピーター割引は本公演の半券のみご利用いただけます。
※ 上演時間:80~85分予定

チケットご予約Webフォーム

作・演出:立夏
出演:手塚優希 小林龍二 きえる 雑賀玲衣 田澤遵 中野皓作(人体色彩画廊I'NN)
照明:伊藤将士
音響:阿部健司(MUGEN☆PROJECT)
カトリエという名の女がいる。カトリエは固定局用無線機のある家に住み、アマチュア無線を趣味としている。香炉という男が彼女の「犬」として契約し同居している。彼は心臓に病気があり一日一回薬を飲まなければ生きていけない。カトリエの家の近くには永遠という名の女が暮らしている。カトリエとは高校のときからの幼なじみだ。彼女はカトリエの言うことなら何でも聞く。「詩子のこと」があるからだ。さて、今日もカトリエの無線がとある電波を傍受した。それは彼女が最も愛する夕日という名の男、彼の電話の音声だ。カトリエは耳を澄ましている。笑っている。しあわせなのか。私には分からない。そして私の隣には女性がいる。名前は「詩子」── 彼女には「悪意」があった。
第十一回公演は獣の仕業の新境地。
くせ者6人が繰り広げる苛烈で過激で純粋な「悪意」にまつわる群像劇。
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