第九回公演「ヴェニスの商人」稽古開始前夜 次回公演 2014年08月08日 0 こんにちは。小林です。明日から、いよいよ第九回公演「ヴェニスの商人」の稽古が始まります。「いよいよ」という割りには、前回公演から近しいものです。突然ですが、シェイクスピアは不変であり、普遍に存在していくものなんだろうと、つとに思うようになっております。私は非常に怠惰で不勉強な人間なものだから、知らないことが多すぎます。それでもまた向かい合おうとしてしまいます。役者は向かい合うということが必要です。前回公演では、特にそれを思ったものです。愛情も友情も、真実も、夢も向かい合って形成されました。向かい合うということは、ふつう一般に生きる世界のなか、誰にとっても必要なことだと思います。それは単純、人と人とが向かい合う、生きていくうえで逃げずに向かい合い、理解をして知って、また見る見直す。向かい合いたいから向かい合って、泣いても、苦しくても、例え今は笑っていても、いつか泣くことを怖れたり、なくなることに不安になったり、まだ来ない世界、不確かな未来があります。それは、自分の世界や誰かの世界だったり、至極不安定で崩れそうな世界のうえで私たちは、ひとり、ひとりが自分の道を一歩、一歩と生きています。私たちは偶然に出逢い、獣の仕業が生まれました。苦しかったことも楽しかったことも、何もかも「ある」ことを共にしてきたのも偶然。立夏、田澤、手塚、藤長、凜子がそこにいたのも偶然。そしてそこに雑賀がぴょんっと入ってきたのも、偶然。でも、皆が皆、変わらず所属しているのは?今ここは、また会える必然の場所です。いつでも帰れる、いつでも戻れるそんな場所。私たちが芝居をすることも、もう必然に近いものになっています。しかし必然は、まだ脆弱さがあるように思うのです。不変は、決心と覚悟と責任で成ります。不変かつ普遍に存在するシェイクスピア、不変で普遍にいようとする私がいる劇団。また邂逅します。これで三回目になります。また向かい合います。新しい本に生きる人。新しい今を生きる人。新しい場所で新しく生まれ変われるように、努々の努力を弛まずまたひとつの中継地にたどり着けますように。ひとりひとりの一歩一歩がゴールにたどり着きますように。祈り「ヴェニスの商人」はじまります。 PR