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獣の仕業のしわざ

劇団獣の仕業のブログです。 日々の思うこと、 稽古場日誌など。

めぐってまたかえるもの。

今年もあと二か月も経たず終わりになるそうである。
30歳が少しずつ近づいてきつつあるんだけど、やっぱり昔より一年経つのが早い。
年を取るほど時間の流れが速くなる・と言うのは「ジャネの法則」というもので論じられていて、これは正しいらしい。
10歳の人間にとっての1年は人生全体の1/10だけれど、
100歳の人間にとっての1年は人生全体の1/100でしかない・というような法則だった気がする。

そう考えると、人間の一生というのは、
一年が一周の電動コイルみたいになっていて、おまけに上に行くほどどんどん細くなっていく・とんがりコーンのような形をしているのかもしれない。
どんどん細くなって・少しずつ線に近づいて、
あるときすう・っと、点になって・それから天に消えていくものかもしれない。


さて。
獣の仕業の2011年の締めくくりは、外部出演三本立てになる。

11月19・20日(土日)D.C.Inhighs 8thPlay「灰」に小林龍二とわたし立夏が出演(わたしはInhighsの所属女優でもあるので自分にとっては立派な本公演だ)
ここ最近のInhighsはずっとリーディングをしていたので、芝居の公演は数えたらなんと2年ぶりだった。
Inhighsは静かな海・だと思う。今回も静かなでも力強い波が届くのではないかと思う。

12月8~11日には藤長由佳と小林龍二が楽園王+ING進行形合同公演の「修善寺物語」に客演。
ING進行形には二年前、利賀演劇人コンクールに同行させていただいてからのご縁。
ダンサブルな身体表現と、深く響くセリフ回しがとても心地よい。
以前稽古を拝見したが、藤長と小林も大変勉強させてもらっていた。
ING進行形のHPはこちら。http://ing.nobody.jp/

同じく12月8~11日には手塚優希が劇団after6第五回公演「ゴーストライター~魍魎作家と優しい読者達~」に客演。
手塚は連続でシアター風姿花伝である。どんな芝居だろうと思い思わず「もうりょう」の意味を調べてしまう。
…妖怪? http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%8D%E9%AD%8E
詳しくは劇団の詳細および本番を待ちたい。http://www.after6.jp/

三者三様の舞台であると思うので、興味を持たれた方、ぜひ劇場に足をお運びいただきたく。


そして獣の仕業の次回公演は3月。もともと2月にやる予定であったのだが、3月になった。
何の因果であろうと思う。
去年も全く同じ日に公演をやろうとしていた。
わたしは、劇場にいたのだ。

五回目となるタイトルは「せかいでいちばんきれいなものに」。これはずいぶん前から決まっていた。
そして、英語タイトル。あまり前面には押し出していないが、雷魚のころから恒例としているものだ。

「雷魚、青街灯、暗闇坂、あるいはうしなわれたものたち」では“Snake-head, marine-searchlight, dark-downhill or missing someone.”

飛龍伝ではそのまま“Hi-ryu-den”

今回は today とした。
はっきりいって理屈ではない。これは・きっと・因果の問題だと思う。
そうなったのなら、そうだろうと・思うから。

劇場は神楽坂die pratze
7年前、学生のころにはじめてたった劇場だ。

その劇場が来年7月末で閉館となることを知った。

はじめての劇場。床も天井も全部・真っ黒の。
いまゆる「アングラ小劇場」のにおいだった。

さみしいけれど。はじめてたった舞台に、最後の年にまたたつことができるのは、きっと幸福なことなんだろうと思う。
まだ物語は、かすみがかかったようになっていて、
そこに立つ私たちの手は見えない。

けれど、じぶんのなかの、あたりまえのようにずっとあった特別なものを、

ようやくかくことができるような気がしている。
「せかいでいちばんきれいなものに」は獣の仕業のいままでのおわりで、これからのはじまりになるような、

第二次獣の代表作にできるような作品になると思います。

めぐってまたかえるものがたりを。

 
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